Windows10上で設定の違うFS2004を複数動かす方法

Flightsimulator
2024年8月16日現在,Windows10の更新でFS2004は動作しなくなりました。
FS2004を動かすにはVMwarePlayerを使うしか方法がなくなりました。

発売から長い期間を経たFS2004は,いろいろな機体やシーナリーが公開されています。それらが競合することもあり,どれを取るか悩ましい状況にもなっています。また,多くの機体を導入すると起動時間が長くなってしまうこともあります。そんな状況を一挙に解決できる方法が公開されていました。実際に試して使えることがわかったので注意点とともに説明いたします。


設定の違う複数のFS2004を一つのPC上にインストールする方法

複数環境を作るメリット

FS2004には,フリーウェアやペイウェアを合わせるとたくさんのシーナリーや機体があります。

それぞれ特徴があるので全部を使いたいと思うことがあります。

けれども,中には競合してしまってうまく動かないもの,同じ空港でも時代の異なるシーナリーがあって同時には使えないという贅沢な状況があります。

flightsim.comの記事に,複数のFS2004を一つのPCにインストールする方法を解説した記事が掲載されています。

私は,当初便利だということはわかるけど,記事をよく読まずに面倒だなと思っていました。

今回,フリーウェアの導入でいろいろ問題を生じたことから,テスト環境を作りたいなと考えました。

そして,FS2004の複数環境を作れば,バックアップと同時にテスト環境も作れるのではないかと考えました。

そして,これまで諦めていたシーナリーのインストールもできるのではないかと考えました。

 

複数のFS2004環境を作る具体的な方法

実際にやってみると,FS2004をインストールしたいくつかの段階で,バックアップをすることで,簡単に複数環境のFS2004を簡単につくることができました。

1 バックアップ

まず現在の環境をすべてバックアップしておきます。

バックアップするのは,FS2004をインストールしたフォルダー全体と,FS9.cfgファイルのあるフォルダーです。

FS2004を導入したフォルダーは,ユーザーの皆さんそれぞれ名前が異なるので,説明中では私が使っている”FS2004″というフォルダー名を使います。

FS9.cfgのあるフォルダーは,”C:\ユーザー>ユーザー名>AppData>Roaming>Microsoft>FS9”というフォルダーです。

この”Appdata“フォルダーは,隠しフォルダーなので,エクスプローラーの表示オプションで”隠しファイル”のチェックを外しておいてください。

私の過去の記事も参考にご覧ください。

FS2004での再インストール復旧を手早く行う方法
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2 アンインストール

次にすべてのアドオンソフトや航空機をすべてアンインストールします。

レジストリーに記録するペイウェアもあるので,面倒ですがひとつひとつ削除していきます。

すべて削除し終わったら,PCを再起動します。

3 クリーンインストール

まずは,アドオンソフトのないクリーン環境を作ります。

FS2004を必ずプログラムフォルダー以外の場所にインストールします。

複数のFS2004のフォルダーを一つのPC上に作りますから,出来るだけ余裕のあるドライブがいいと思います。

もっとも,数GBの容量のある地形データやシーナリーは,ドライブが異なっていても複数環境で1つのフォルダーを共通利用する方法がありますから,すべての複数環境を一つのドライブ内に複製する必要はありません。

FS2004をインストールし,パッチを当て,NOCDの”FS9.exe”をコピーします。

この時点で,FS2004を起動してグラフィック環境等の設定を済ませます。

以上の状態で,クリーンインストール環境ができました。

なお,NOCDの入手とインストールについては,私の過去の記事をご覧ください。

https://pbook.jp/post-35/

4 複数環境フォルダーを作る

コピーで複数のフォルダーを作る

つぎにこの状態の”FS2004″フォルダーとFS9.cfgをバックアップします。
私は,”FS9_pure“と名付けてバックアップしました。

次に,フリーソフトやペイウェアを順次インストールしていきますが,段階ごとにバックアップをしていきます。

私は,クリーン環境を含めて3種類用意しました。

地形データと雲などのテクスチャーを導入済みの段階で”FS9_Global“という名前をつけて保存しました。

つぎに”FS9_Global”を元に,”アプローチ&ランディングジャパン”のシーナリー群をインストールして”FS9_ALJ“という名前で二つ目を保存しました。

そして,最初にバックアップしたものは,日付を冠した”FS9_yyyymmdd“という名前でフォルダーとFS9.cfgをバックアップしています。

このように複数の環境をインストールするとき,段階を追ってバックアップすることで複数環境を容易に準備することができます。

なお,環境設定が混乱するので複製保存した環境をこのままで動かしてはいけません

起動ショートカットの作成

つぎにそれぞれのフォルダーの中にあるNOCD版の”FS9.exe”の名前を変更します。
私の場合は,”FS9_Global.exe“,”FS9_ALJ.exe“,”FS9.exe“となります。

いつも使っているFS2004環境は,もとの名前にしました。

つぎにそれぞれのFS2004フォルダーにある“FS9_xxx.exe”のショートカットを,デスクトップ上に作ります

そして一つずつ互換性を”WindowsXP sp3″に設定したあと管理者権限で起動します。

複数のFS2004を異なるドライブにバックアップコピーした場合,起動時に”Moduleが互換性がない“とか,”シーナリーがないよ“という警告が出ることがあります。

かまわず起動して,操縦席が表示されたらFS2004を終了します。

さて,つぎに“FS9.cfg”のあるフォルダーを開きます

“FS9.cfg”のショートカットをデスクトップに作っておけば,隠しファイル設定に戻した後でも簡単にアクセスできます。

FS9.cfgのショートカットを作ります

右クリックを使います

開いてみると,”FS9_Globa.cfg“,”FS9_ALJ.cfg“,”FS9.cfg“があります。
それぞれが,複数のFS2004環境を保存しているファイルです。

[OLDMODULE]の定義設定

[OLDMODULE]の定義は,最初にバックアップしたFS9.cfgからコピーしておきます。

シーナリーライブラリーデータの修正

つぎに,見つからなかったシーナリーを別環境のFS2004に教えてやる作業を行います。

編集するのは,FS2004をバックアップした各フォルダーの中にある”Scenery.cfg“ファイルです。

FS9_Globalフォルダー内の例

私は,複製フォルダーをD:ドライブに作りました。

この”scenery.cfg”ファイルを開きます。

このなかに,複製前の環境でF:ドライブのルートフォルダーに置いていたシーナリーについて,新しい設定で見つからなかった場所を示す行には “..\” の記述があります。

ここを,そのフォルダーがあるドライブ名(私の場合は”..“を”F:“)に書き換えることで認識できるようになります。

この方法で,数GBある地形データなどをすべてのFS2004環境で共通に使うことができるようになります。

実際の運用例

これで複数環境のFS2004を一つのPC上に共存させることができました。

私が作った3つの環境のうち,”FS9_Global“と”FS9.ALJ“で広島西飛行場の風景をごらんください。

FS9_Global“は,シーナリーテストや古い時代の空港シーナリーを使うために用意した環境です。

空港ビルは表示されていませんが,Autogenの風景が表示されます。

FS9_ALJ“は,海外の空港シーナリーやアドベンチャー,日本のフリーシーナリーなどを楽しむために用意した環境です。

広島フォトシーナリーと広島オブジェクトを使い,広島西飛行場はフリーウェアを使います。

広島オブジェクトの紙屋町ビル群と平和公園がフォトシーナリーの正しい位置に表示されます

PCやHDDが高性能になったおかげで,HDD環境にインストールしたFS2004でもストレスなしに動いてくれます。

FS2004起動画面の変更

起動画面を変更する方法も,flightsim.comの記事に記載されています。

環境に似合う起動画面を公開されている物から選択してダウンロードし,FS2004のフォルダーに上書きコピーするだけで簡単に実現できますから,楽しみも広がると思います。

まとめ

ファイル操作に慣れている方なら,複数環境を作るのは意外に簡単です。

もともとのFS2004環境から,フォルダーをそっくりコピーすることで,フリーウェアの航空機やフリーシーナリーの導入を簡単に行うことができます。

ペイウェアの航空機については,コピーだけで動くものと環境ごとに再インストールが必要なものがありました。

複数のFS2004環境を用意できたことで,いろいろ変化させたFS2004を楽しむことができるようになりました。

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