X-Plane11に付属しているセスナ172は,使いやすい軽飛行機です。
もちろん飛行練習にも使用できるとはいえ,結構俊敏なので飛行練習をするにはもっとゆっくりとした飛行機がよいという方もいらっしゃるかと思います。
実際の飛行練習でも使われているMS-880という機体をご紹介します。
X-Plane11導入日記(その91)
X-Plane11で使える低速で安定した練習機MS-880
MS-880は実際の飛行練習でも使われている低速ですが安定した小型機です。
この飛行機は,フランスのモラン・ソルニエ社が1950年代に開発し,1961年から生産され1978年からは改良型がポーランドで生産され続けています。

計器板は,初歩のIFR練習にも使うことができる基本構成になっています。
また,天井までが透明キャノピーになっているので,視野が大変広いことも特徴です。
また,蛇足ですが私が住んでいる広島市にある家具店 小田億家具Findsの宣伝機(JA3957)として日本の空を飛んでいました。

“OY-PRS Socata MS.880 Rallye Club” by Graham Tiller. Photo from Flickr
データのダウンロードとインストール
この機体のX-Plane11用のデータが公開されています。
ダウンロード
データはX-Plane.orgからダウンロードします。
タイトルは”Socata MS-880 B Rally 1.0.0”です。
X-Plane.orgから引用
インストール
ダウンロードしたファイルは”MS-880-B.7z”という名前です。
このファイルの拡張子”.7Z”は,あまりなじみのないものです。
ダウンロード元のフォーラムでは,この拡張子の圧縮ファイルを展開するプログラムのダウンロード先についてウイルスの危険性があるので使えないとの書き込みがありました。
しかし日本では,信頼できるダウンロードサイト”窓の杜”に”.7Z”を展開できるプログラム”7-Zip”が公開されています。

私は,64bit用をダウンロードしました。
窓の杜から引用
ダウンロードした”7z1806-x64.exe”を管理者権限で実行するだけでインストールできます。
互換性設定は不要です。
このファイルをインストールした後に”MS-880-B.7z”を右フリックして”すべて展開”してください。
”MS-880-B”というフォルダーができあがります。
このフォルダーをX-Plane11>Aircraftフォルダーにコピーすればインストール作業は終了です。

小型機に分類されてアイコンも用意されています
X-Plane11での表示
広島西飛行場(RJBH)で観察しました。
コックピット内
操縦席はシンプルな構成ですが,パネル全体を見渡そうとしたところ極端な縮小表示ができないようで少しとまどってしまいました。
無線装置は簡単な操作で使えるFS2004のような旧式タイプです。
画面左端の対気速度計の外側の目盛りはkm / hで,内側の黄色い目盛りがノットであることに注意してください。
中央に大型のナビゲーションパネルがありますが,このパネルの使用説明書がありません。
どのように使うのかがわかりませんが,フライトプランをセットすれば表示できるかもしれません。

視点をジョイスティックで変更した表示(表示が斜めになっています)
このパネルで操作する場合,X-Plane11の視野移動機能であるキーボードの矢印キーを使う必要があります。

矢印キーで視点移動して表示したパネル(表示のゆがみはありません)
コックピット内では操縦士が表示されますが,外部からは残念ながら見えません。
このことは,公開されたX-Plane.orgにも記載されており解消方法が見つかっていないことが書かれています。
同時に,外部視野では窓から向こう側の景色が透過して見えるという現象もあります。
今後,修正されることを祈りましょう。

飛行中の機体:窓から向こう側の景色が透過して見えます
飛行練習
さて実際に飛行してみましょう。
低速の練習機であることをご紹介しましたが,その性能についてはフォルダー内の”README.txt”に記載されています。
ゆっくり練習できる低速機であることは,この数字からもわかります。
最大巡航速度200 km / h 108 kts
決して超越してはならない速度270 km / h 146 kts
失速速度(フラップなし)85 km / h 46 kts
(フルフラップ)75 km / h 40 kts
離陸速度95 km / h 51 kts
初期上昇速度120 km / h 65 kts
ベストクライムレート135 km / h 73 kts
ベストクライムアングル90-100 km / h 49-54 kts
アプローチ:ベース120 km / h 65 kts
ファイナル110 km / h 59 kts(フラップなし)
105 km / h 57 kts(30フラップ)
タッチダウン速度85-90 km / h 46-49 kts
飛んでみるとよくわかりますが,ULP並にゆったりと飛行することができます。
練習にはもってこいですね。
まとめ
VFRだけでなくIFRの練習もできる,よくできた練習機だと思います。
私は,操縦席内の視野移動にさえ慣れてしまえば,X-Plane11での初心者向け練習機としては最適なものだと考えます。
この記事の機体は,つぎの製品のバージョンアップ版で動作確認しています。
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