B767-300といえば,現在も国内線・国際線で活躍している中型旅客機です。
JALが保有していたB767-300の中に,現在運航しているGEエンジン機とは異なるPW製のエンジンを装備していた機体がありました。
しかもこの機体は,B767-300の製造初号機だったという経歴があるのです。
この機体を,FS2004で再現することにしました。
JT9Dエンジンを装備したJALのB767-300
JALがB767シリーズを導入し始めたのは1985年のB767-200からです。
1986年には,長胴型のB767-300の導入が始まりました。
当時は,DC-10で実績のあったプラット&ホイットニー社のJT9Dエンジンを搭載した機体を導入しました。
現在就航しているB767-300には,JT9Dの製造終了とともにB747-400で実績を積んだGE社のCF6エンジンが搭載されています。
一時期とはいえ,2つの異なるエンジンを搭載した同型機が運航していたというのも珍しいことだと思います。
さらに,JT9Dを搭載していたJAL機の中に,少し変わった経歴の機体が存在しました。
それは,1986年12月17日に登録され,2009年12月25日まで就航していたたJA8236です。
実はこの機体,B767-300の製造初号機だったのです。
デモ機として世界中を飛んでいた機体が,JALの仲間に加わっていたんですね。
FS2004のJA8236
珍しい経歴のJA8236に注目された塗装データを作られた方がいらっしゃいます。
JA8236の経歴をたどれるよう,JAL機とボーイングのデモ機塗装を公開されています。
この2つの塗装を導入して楽しむことにしました。
導入するからにはと,私も徹底的にこだわって機体を構成してみました。
FS2004の機体データのダウンロードとインストール
塗装データのダウンロード
まずSean Kneppers氏が作成された2種類の塗装データをFlightsim.comからダウンロードします。
JAL機のデータは”ssp763jao.zip”です。
つぎにボーイングのデモ機のデータは,”ssp763_n767s_sk.zip”です。
基本機体のダウンロード
塗装データに適合する基本機体のデータは,JT9Dを装備した機体である必要があります。
塗装データ作成者のSean Kneppers氏が示しているのは,デルタ航空のB767-300ERの”ss2010_boeing_763er_dalnc_pk.zip”というデータです。
JT9D用修正データのダウンロード
さらに,JT9D搭載機に修正するためのmdlファイルを次のページからダウンロードします。
エンジンサウンドのダウンロード
エンジンサウンドも専用データがあるので,Flightsim.comからダウンロードします。
ファイル名は,”fs9_jt9d_b767_fd_v1.zip”です。
機体の構成とインストール
すべての構成パーツをダウンロードしたら,機体を構成するフォルダーを決めましょう。
私は,JAL機の塗装データを展開したフォルダー”ssp763jao“を利用しました。
塗装データの組み込み
このフォルダーに,基本機体データを展開したフォルダーの中にある”Boeing 767-332ER PW4060 SkySpirit2010”から,”COMMON FILES”と”model”の2つのフォルダーと”767-300ER-pw4060.air”と”Aircraft.cfg”の2つのファイルをコピーします。
つぎに”767-300ER-pw4060.air”のファイル名を”767-300-JT9D.air”に変更します。
これは,塗装データ作成者であるSean Kneppers氏のドキュメントによるものです。
そして,JAL機の塗装データ定義ファイルをaircraft.cfgファイルに組み込みます。
JAL機のデータは,”Readme.txt”ファイル内にあります。
さらにボーイングデモ機の塗装データを展開したフォルダーから”Texture.BCA”を”ssp763jao”フォルダーにコピーし,”Readme.txt”ファイル内にあるデモ機塗装定義ファイルをaircraft.cfgファイルに組み込みます。
JT9Dサウンドデータの組み込み
”fs9_jt9d_b767_fd_v1.zip”を展開した”fs9_jt9d_b767_fd_v1”フォルダー内にある”Sound”フォルダーを”ssp763jao”フォルダーにコピーします。
JT9D用修正データの組み込み
修正データファイルを展開してできた”OS763V5_JT9D–A.mdl_Model_Update_IH51”フォルダー内にある”model”フォルダーを”ssp763jao”フォルダーにコピーします。
なお,修正データフォルダー内の他のデータは重複しているのでコピーする必要はありません。
操縦席データの組み込み
B767-300用のグラスコックピットデータは,私の過去の記事に導入方法があるので参考にしてください。
すでに導入した機体から”Panel”フォルダーを”ssp763jao”フォルダーにコピーします。
こうして構成したフォルダーは,次のようになります。
なお構成したaircraft.cfgファイルをここからダウンロードできるようにしました。
FS2004での表示
フライトの作成画面
この機体は航空機メーカーは”Boeing”で登録しています。
機種欄は,B767-300 JT9D,バリエーションは”Japan Airline JA8236 OC”,機体番号はもちろんJA8236です。
そしてデモカラー機体です。
バリエーションは”Boeing House Color”,機体番号はN767Sです。
操縦席の画面
B767用のグラスコックピットを組み込んでいる操縦席です。
仮想コックピットはありません。
滑走路上の機体
機体は,大阪伊丹空港の滑走路に駐めてみました。
デモ塗装機は,ボーイング飛行場(KBFI)に駐機しました。
まとめ
実は,鶴丸の古い塗装機を紹介するだけのつもりだったのですが,調べていくうちにあれこれこだわりたくなって調べまくり,つぎはぎながら満足できる機体に仕上がったのではないかと思います。
今回の記事は,ひと味違う機体を,パーツデータにこだわってひと味違う機体に構成したというお話でした。
フリーウェアでここまでできるのですから,FS2004はありがたいと思います。
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