私は,複数のシーナリーのいいとこ取りをしたいと思うことがあります。
けれども,シーナリーの優先順位の整理だけでは副作用が生じることがありました。
シーナリーライブラリーを手作業で整理することによって実現することができました。
FS2004のシーナリーライブラリの使い方(3)
シーナリーライブラリの整理だけでは不十分だった
2つのシーナリーデータの併用の副作用
優先順位の調整機能は,二つのシーナリーパッケージを併用して使う時に利用できることはすでに記事にしたところです。
「みんなの空港」は,細密で美しいシーナリーですが空港数が少ないため,「アプローチ アンド ランディング イン ジャパン」との併用で,日本国内のおおかたの空港データがカバーできるのです。
しかし,その副作用は否定できません。
同じ空港のデーターが重複しているとき,FS2004は二つのシーナリーを同時に描画します。
そして優先順位の高いシーナリーだけを表示するのです。
このため,表示されないデータも表示用の計算だけは行われるため,CPUパワーを無駄遣いすることになります。
それが原因で,たまにフレームレートが急降下する副作用が生じたと考えられます。

二重登録で一時的にフレームレートが急降下する副作用が生じることがある
「みんなの空港」と「アプローチ アンド ランディング イン ジャパン」のファイル構成
「みんなの空港」は,空港ごとのシーナリーファイルを,シーナリーライブラリに個別登録するようになっています。
一方「アプローチ アンド ランディング イン ジャパン」は,”AS_ALJ2K4_V○”という製品ごとのフォルダーをシーナリーライブラリに個別登録するようになっています。
このため,個別の空港ごとに有効/無効の設定をするとき。「みんなの空港」では,シーナリーライブラリ上で切替ができます。
一方,「アプローチ アンド ランディング イン ジャパン」は,フォルダーごとになっているので,シーナリーライブラリで個別の空港で有効/無効の設定をすることはできません。
また「アプローチ アンド ランディング イン ジャパン」には,空港ごとのアドベンチャーファイルと国内に就航している機材のデータも含まれているので,製品ごとに削除することもできません。

シーナリーライブラリーの画面
「アプローチ アンド ランディング イン ジャパン」のファイル構成を逆手に取る
仮説と実証
私は,「アプローチ アンド ランディング イン ジャパン」のシーナリー登録がフォルダーごとになっていることに注目しました。
「登録がフォルダーごとなら,その内容に変化があっても問題がないのではない。」との仮説を立てました。
早速実験です。
問題を確認した「広島空港(RJOA)」のデータをさがしました。
参考にしたのは,もちろん「FS道楽」のあのデータです。
広島空港のデータは,Vol.3ですから,”AS_ALJ2K4_V3”のフォルダーにあるはずです。
エクスプローラで検索して抽出しました。
そして,デスクトップに”Retreat_scenery(退避シーナリー)”というフォルダーを作って,抽出したファイルを移動しました。

”RJOA”で検索したファイルを別フォルダーに移動する

移動後のフォルダー 移動元のフォルダーの表示は更新されていない
移動後に,FS2004を起動しあらかじめ登録しておいた,問題を起こした着陸フライトを実行しました。
結果は,問題フレームレートの極端な低下は生じませんでした。
アドベンチャーの動作確認
フレームレートの課題が片づいても,アドベンチャーに支障があれば問題外です。
そこで,RJOAの着陸アドベンチャーを,オブザーバーモードで実行しました。
結果はオーライ,問題なく着陸できました。

着陸前の画面 フレームレートは平均59で一瞬39に下がりました
シーナリーデータ全体の整理
私の場合は,「みんなの空港」を優先したので,「アプローチ アンド ランディング イン ジャパン」のデータを移動させるという作業をしました。
「アプローチ アンド ランディング イン ジャパン」のデータを優先する場合には,「みんなの空港」の個別データを無効化するだけで済みます。
作業は,先ほどの仮説実証の時の作業を空港ごとに繰り返すだけです。
「FS道楽」のデータをもとに,重複する空港コードで検索・抽出し,退避するだけです。
私は,いつでも復元できるよう,製品ごとの退避フォルダーを作りました。
作業の結果,「アプローチ ランディング イン ジャパン」の4つフォルダーと「YS-11」のフォルダーから合計692個のデータを退避させました。

ALJ3の退避データ
これで,シーナリー重複の副作用は解決できたと考えています。
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