古いと言われるFS2004ですが,篤志家の努力によって地形データは充実しています。
少しフリー・シーナリーデータを補うだけでFSXをしのぐ地形を表現できます。
さらに商用データを加えると,ますます良くなるんですよ。
FSXの地形データ
FSXのデフォルトシーナリー
FSXのデフォルトシーナリーの日本国内の地形表現は大変貧弱です。
私が住んでいる広島市の沖に「似ノ島」という離島があります。
広島市内から眺めることができ,「安芸の小富士」と呼ばれるシルエットをもつ美しい島です。
ところが,FSXでは,のっぺりとした平たい土地が海面にあるだけなんです。

FSXデフォルトの「似ノ島」と向こう側の「江田島」
確かにアメリカの地形データは,よく表現されてるなあと思います。
一方でFSXの日本国内の地形データは,1メッシュが100m以上になっているのだとか。
ですから,日本の空を飛ぶと愕然とするんですね。
FSXの商用シーナリー
私は,これは許せないと思い「FS Global X 2008」という地形データを購入しました。
現在では,「FS Global ultimate」という商品になっています。
しかし,新しくなっても日本国内の地形データは,1メッシュ76mで「FS Global X 2008」と変わりません。
FSXで「FS Global X 2008」を有効にして飛ぶと,地形データは確かに少し良くなるのですが,地表の色などテクスチャーはまだまだという気がします。

”FS Global X 2008”を有効にした”似ノ島”
FS2004の地形データ
FS2004のデフォルトシーナリー
FS2004のデフォルトシーナリーは,さすがに貧弱です。
島はぺちゃんこの板みたい,しかも海岸線はひどいモノでFSX以下です。

FS2004のデフォルト「似ノ島」と向こう側の「江田島」
FS2004の日本国内のフリー・シーナリー
FS2004の日本の地形データを修正する過去のフリー・データは,flightsim.comの76mメッシュデータでした。
それらは,いまでもflightsim.comで入手できます。
flightsim.comで”Mesh Japan”で検索すると見つかります
これは,「FS Global X 2008」と同じ解像度です。
76mメッシュで表現されたFS2004の「似ノ島」と「江田島」をご覧ください。
島の稜線がはっきり表現されています。
海岸線が改善されないのは,メッシュデータのせいではありません。
海岸線は,地形データの上に貼ってあるテクスチャーデータを改善しないと正しくならないからです。

76mメッシュを有効にした「似ノ島」と「江田島」
「FS Global X 2008」には,FS2004用の地形データが入っていますが,フリー・データはそれと同じ解像度です。
このフリー・データは,国土地理院の数値地図データを元に作られています。
ですから,地形表現が良くなるのですね。
FS2004の日本国内38m詳細メッシュデータ
国土地理院の数値地図データを元にシェアウェアとして日本で最初に提供されたのが,Atatanさんが作られた「日本全国Terrainシーナリー詳細版 ver2.0」です。
このメッシュシーナリーは,なんと1メッシュが38mです。
このメッシュは,「FS Global X 2008」と比べて 一辺1/2,面積で1/4なんですね。
おかげで,山や島は,それらしく表現されます。
38mメッシュで表現された似ノ島です。
近寄ってみないと違いがわかりませんが,やはり細かくなっています。

38mメッシュを有効にした「似ノ島」と向こう側の「江田島」
いまダウンロードできる38m詳細データ
現在では,FS2004/FSX両用の38mメッシュデータが公開されています。
Japan Terrain Mesh Sceneryです。
これを導入すれば,FS2004/FSXで詳細地形が表示できます。
ということで,日本国内のメッシュ地形データに限って言えば,FS2004とFSXは同等です。
FS2004は国内空港のデータが充実しています
一方,これに加えてFS2004は,国内の空港データーは充実していて,フリーデーターと商用データーを組み合わせるとほとんどの空港が網羅されます。
そして空港周辺の地形は,修正されており実際の地形を良く表現しています。

日本全国 Terrainシーナリー詳細版で表現された 富士山の美しい稜線
そういうわけで,日本国内の地形の表現に限って言えば,FS2004がFSXを上回っているということなんです。
追記:極詳細シーナリー
FSXでは,5m,10mメッシュシーナリー作成の取り組みがはじまっています。
日本全国で実現すれば,すごいことになりますね。
このメッシュシーナリーがFS2004で実現できるとよいのですが…
コメント