忘れられた滑走路を補うプロジェクト(その19)
東北震災の際に物資輸送の拠点となった瀬峰場外着陸場
瀬峰場外着陸場
瀬峰場外離着陸場は,宮城県にある奥羽山脈から東方に延びる丘陵の1つ瀬峰丘陵の東端近くにある飛行場で,「栗原飛行場」とか「栗原瀬峰飛行場」とも呼ばれています。
軽飛行機やグライダーの滑走路として利用されるほか,東日本パイロット協会によるパイロット育成にも使用されており,ヘリコプター用のヘリパッドも滑走路上を含めて3面あります。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では,沿岸部までヘリコプターで10分程度という近さを生かしここを拠点に支援物資の輸送拠点および報道ヘリコプターの中継点の1つとして機能しました。
ここはX-Plane11のデフォルトシーナリーやGatewayにもない忘れられた滑走路の一つです。
瀬峰から仙台までの飛行を掲載しているブログがありました。
瀬峰場外着陸場のシーナリー
瀬峰飛行場は丘の上にありますが,デフォルトメッシュでもOrtho4XPデータ上でも滑走路が置けるような地形になっていません。
そこでデフォルトメッシュ用の修正メッシュとOrtho4XPデータ用のMUXP用修正データも併せて作成しました。
また建物に関する資料が全くないので,Googlemapから得られる平面画像を参考にしてシーナリーを作成しました。
なおここのコードには,FS2004のシーナリーに割り当てられていたRJSZを使いました。
ダウンロードとインストール
ダウンロード
デフォルトメッシュ用シーナリーとデフォルトメッシュ用地形データ,Ortho4XPデータ用シーナリーと地形修正MUXPデータをまとめて”RJSZ_Semine As.7z“という名前のファイルを作りました。
ファイルはここからダウンロードしてください。
またシーナリーを表示するために次のライブラリーが必要ですので,あらかじめ導入しておいてください。
MisterX_Library
ALES_DEV_LIB
gt_library
CDB-Library
The handyobjects Library
AR_Library
Orbx_OrbxlibsXP
まだの方は以下のページにダウンロード用のリンクがあるので利用してください。
インストール
ダウンロードしたファイルを適当な場所で展開します。
出来上がったフォルダーなどは次のとおりですので,利用されるシーナリーを選んで使ってください。
デフォルトメッシュ用シーナリーは,Ortho4XPデータ用シーナリーに滑走路のポリゴンと国土地理院提供の航空写真データを貼り付けたものです。
zzz_RJSZ Mesh:デフォルトメッシュ用地形修正メッシュ
+38+141 airport_RJSZ_Ortho.muxp:Ortho4XPデータ用のMUXP用修正データ
デフォルトメッシュ用シーナリー
RJSZ Semine Afとzzz_RJSZ MeshをX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーします。
X-Plane11をスタートしメインメニューが表示されたらいったん終了します。
X-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にあるScenery packs.iniファイルをメモ帳で開き,zzz_RJSZ Meshの定義を一番最後になるよう編集します。
Ortho4XPデータ用シーナリー
RJSZ Semine Af_orthoをX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーします。
Ortho4XPで作成した+38+141のタイルを提供したデータを使ってMUXPで修正してください。
修正とインストール方法は,私の過去の記事を参考にしてください。
X-Plane11での風景
デフォルトメッシュ
滑走路全体は52mの丘の上にありますが,画面右側に見える北の川向こうから来た道路で連絡しています。
滑走路長は440mと短いのですが,場内には画面の手前に一番大きなヘリポート,滑走路中央に2番目のヘリポート,滑走路左横の広場に3番目のヘリポートがあります。
シーナリーではこれらを再現してあります。
デフォルトメッシュ用シーナリーに用いた国土地理院の画像が明るいので周りの風景よりも明るく見えます。
写真が低高度からの撮影のためゆがみがあり,画像のままでは滑走路が曲がってしまうのでアスファルトポリゴンで滑走路を隠しました。
デフォルトメッシュでの地形修正は,違和感なく穏やかな丘陵面が再現できました。
Ortho4XPデータ
デフォルトメッシュ用地形修正で使ったデータをOrtho4XPデータに使うだけでは,穏やかな丘陵を再現できなかったので,Ortho4XPデータ用のMUXP用修正データを別に作って修正しています。
Ortho4XPデータでは,画像が細かいので地面がきれいに見えます。
Ortho4XPデータでは画像のゆがみがないので,簡易舗装の滑走路が再現できました。
滑走路に付け加えているのはセンターラインなどのマーキングだけです。
格納庫前にセスナを止める四角い簡易舗装区域が3つあり,これを再現してあります。
画面右側には一番大きなヘリポートが,滑走路中央には2番目のヘリポートが見えます。
滑走路南側にある3番目の丸い形のヘリポートです。
まとめ
シーナリーを作成してから,細かい点が気になりだし地形修正からやり直したりしたので作成に結構時間がかかりました。
ここから仙台までヘリで10分程度ですから,震災を忘れないように支援活動シミュレーションをしてみるのも良いと思います。
Enjoy Flight!
この記事で紹介しているシーナリーは,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.55で動作確認しています。
コメント