忘れられた滑走路を補うプロジェクト(その10)
昔定期便が飛んでいた西春別空港だった計根別飛行場
計根別飛行場
北海道野付郡別海町にある計根別飛行場は,昭和30年代には「西春別空港」として旅客定期便が飛んでいましたが,昭和40年の中標津空港開設と共に民間空港としての役割を終えました。
現在は有事に備えた代替滑走路として航空自衛隊が管理している飛行場です。
施設は滑走路と一体となっている陸上自衛隊別海駐屯地の施設があるだけで,常駐の航空機はいません。
中標津を紹介する「ふるさとの礎 なかしべつ伝成館」に貴重な「西春別空港」にいるDC-3の写真があります。
昔は民間空港だったということで,計根別飛行場は代替滑走路にもかかわらずICAO4レターコード”RJCS”が付いている理由がわかりました。
計根別飛行場はICAOコードがあるにもかかわらずSkyvectorにも記載がありませんし,X-Plane11ではGatewayにもない,忘れられた滑走路の一級品です。
計根別飛行場シーナリー
計根別飛行場には,空港施設がなく常駐航空機がいないため滑走路周辺には全くオブジェクトがなく,飛行場としてはさみしいシーナリーになってしまいます。
Ortho4xpデータを使えば道路や滑走路周囲の土地は再現されますし陸上自衛隊の別海駐屯地の建物は,X-Asiaで結構再現されているので追加する必要がないようです。
逆にデフォルトシーナリーでは,何もない野原だけが広がるシーナリーになってしまうので,滑走路の他に別海駐屯地内の道路を再現することにしました。
“1,590×30m 舗装 海抜 123m”という「西春別空港」のデータが「ふるさとの礎 なかしべつ伝成館」で得られましたが,他のデータが入手できなかったので,Googlmapの写真を頼りに滑走路と道路を再現しました。
滑走路は写真を基に路肩のない幅20mで再現しています。
シーナリーのダウンロードとインストール
ダウンロード
シーナリーは,デフォルトメッシュ用とOrtho4XP用を分けて作成しています。
デフォルトメッシュ用シーナリーは,Ortho4XP用シーナリーに道路と地表を表示するためのポリゴンデータが加えたものです。
シーナリーを表示するために次のライブラリーが必要ですのであらかじめ導入を済ませておいてください。
RA_Library
NAPS_library
HungaryVFR-Library
まだの方は,次のページにリンクがありますので導入してください。
シーナリーデータは”RJCS_KenebetsuAf.7z“でここからダウンロードしてください。
インストール
ダウンロードした”RJCS_KenebetsuAf.7z“を適当な場所で展開します。
できあがったフォルダー内には次の二つのシーナリーフォルダーがあるので,どちらか一つを選んでX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーしてください。
RJCS Kenebetsu AF_ortho:Ortho4XPデータ用シーナリー
X-Plane11での風景
デフォルトメッシュの風景
飛行場の全景です。
ほとんど道路だけのシーナリーです(^^;)
駐屯地の建物に近い15番滑走路端です。
道路が広いので,おそらくこのあたりに昔の空港ターミナルがあったのかもしれません。
X-Asiaで表示される別海駐屯地の建物群です。
画面手前の広い道路は,駐車場として使われているようなので,車のオブジェクトを配置しました。
駐屯地内の道路は細い道路まで表示しています。
Ortho4XPデータ上での風景
Ortho4XPデータ用シーナリーでは,道路の表示が必要ないので構成は簡素なシーナリーになります。
けれども道路をフォトシーナリーが表示してくれるので結構リアルな風景になります。
33番滑走路端です。
滑走路脇の路肩部分が黒く見えるのは,昔の滑走路の部分だと思います。
Ortho4XPデータ上の別海駐屯地の建物群です。
フォトシーナリーの道路とピッタリ適合しています。
まとめ
この飛行場を調べている中で,デフォルトシーナリーにある別海フライトパーク(XRJ000J)に気がつきました。
別海フライトパークは戦前の第1計根別飛行場だったため,シーナリーを作るときに別海フライトパークの位置をもとに楽に作成できました。
別海フライトパークはデフォルトシーナリーに入っていますが,実物とはほど遠い建物です。
忘れられた滑走路シリーズが終わったら,修正を入れたいシーナリーです。
Enjoy Flight!
この記事で紹介しているシーナリーは,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.55で動作確認しています。
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