イタリアのベニスといえば「水の都」と呼ばれる街です。この街を美しく再現しているシーナリーがあります。このシーナリーを活かしてベニスの街を空からだけでなく水上からも楽しむ方法をご紹介します。
ベニスを再現する市街地・飛行場シーナリー
ベニスは,FS98の時からVFRで楽しめる街としてシーナリーが公開されてきました。
X-Plane11でも商用シーナリーが発売されています。
今回ご紹介するのは,市街地をしっかり作り込んだフリーシーナリーです。
シーナリーの準備
フォトシーナリーの作成
ベニスはアドリア海の最深部にあるヴェネツィア湾にできた潟の上にある街で,運河が縦横に走っていることから「水の都」と呼ばれています。
ベニスの街を美しく表示するには,市街地シーナリーだけでなくベースとなるフォトシーナリーも重要です。
なお必要とする区域は”+45+012″です。
ベニスのフォトシーナリーは,X-Plane9の時に作成されたZL17のイタリアのフォトシーナリーとZonephotoによるZL16のフォトシーナリーが公開されています。
けれども,このシーナリーを使って見た結果,海岸線の表示があまり美しくありませんでした。
そこで,運河が発達しているベニスの海岸線が日本の海岸線の状況に似ていることから,日本国内のフォトシーナリーを作成する方法でGoogleベースのフォトシーナリーをZL17で作成したところ美しく表示できました。
設定は,下の画像のとおりにして下さい。
特にベニスにはZL17を超えるフォトデータがないので,空港周りの”high_zl_airports“は,”False“としてください。
フォトシーナリーの作成とインストールについては,日本のフォトシーナリーの作成方法のページをご覧下さい。
市街地と空港データのダウンロードとインストール
ダウンロード
市街地とヴェネツィア=リード空港のシーナリー
シーナリーのタイトルは”City of Venice and Nicelli airport 1.0.0“で,X-Plane.orgから飛ぶxpfr.orgのページからダウンロードします。
ダウンロードリンクをクリックするとタイトルのないリンクが2つ表示されます。
下側のリンクが11.50用です。
クリックするとxpfr.orgのページにジャンプしますので,このページのリンクからシーナリーをダウンロードします。
このシーナリーはフルカスタムオブジェクトだけを使っていますので,シーナリーを表示するためのライブラリーは必要ありません。
この11.50版シーナリーに付属している船・ボートと車両は,Valkan設定のWindows上だけで動きます(Linux とMacでは旧版を使うか,付属のgroundtrafficプラグインの更新作業が必要です)。
オプションの水上飛行場シーナリー
ベニスの運河を見学するにはボートがあると便利ですが,X-Plane11.50には操縦できるボートはありません。
X-Plane9用の”RIVA Super Ariston”というボートのデータがありますが,11.50に変換するには10.0のPlanemakerと11.50用に変換する技術スキルが必要です。
そこで,水上機を使うことにしました。
この機体の出発地として使うために,ベニスの港に昼間だけ使える”Vennice port”という小さな水上滑走路を作りました。
シーナリーはここからダウンロードしてください。
インストール
ダウンロードした”LIPV.v.20-333_(161)_341.zip”と”Vennice_port.7z”を適当な場所で展開します。
展開してできた”Aerodrome LIPV City_Venezia XPFR_XP11_Vulkan“と”Vennice_port“フォルダーをX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーすればインストール作業は終了です。
X-Plane11での飛行と水上走行
機体はAerolite103を指定し,ヴェネツィア=リード空港(Nicelli airport [LIPV])の05番滑走路からフライトをスタートすれば,草地の滑走路が表示されます。
ヴェネツィア=リード空港はベニスの街の東寄りにある島にあります。
フリーカメラで見学してみると,素敵で洒落たターミナルビルが目に入ります。
離陸したら左旋回しましょう,すぐにベニスの町並みが見えてきます。
運河は市街地シーナリーによって緑がかって表示されます。
市街地上空をゆっくり飛んでみると,さまざまな建物を眺めることができます。
見渡すと,出発地のヴェネツィア=リード空港と眼下にベネチアFCのホームグラウンドであるスタディオ・ピエル・ルイジ・ペンツォを見ることができます。
すこし上空からベニスの街を広く眺めてみましょう。
この景色はGoogleベースの自作フォトシーナリーでなければきれいに表示できません。
さて,今度は街を水上からながめることにします。
出発地はVennice port [XLIPO]を指定します。
私は使い慣れているペイウェアのIcon A5を使いましたが,お持ちでなければ小さなSTOL機である”Zenith STOL Super Duty”の水上機バージョンをお使いください。
Vennice port [XLIPO]は,ベニスの街の北側にある港の桟橋にあります。
実際には沖に防波堤がありますが,このシーナリーでは削除してあるので離水が可能です。
出発地から少し前進して左に曲がり運河をゆっくり水面走行しても良いですし,離水して好きな場所に着水するのも良いでしょう。
私は離水して南側の大きな運河の入口に着水しました。
すぐにフェリーが来るので,針路を見極めてぶつからないように運河の中を進みます。
空からとは違って水面から見る建物は圧巻です。
街のあちこちに小さな水路が見えますが,橋桁が低いので飛行機では進入できません。
近くに止めて,フリーカメラで見学しましょう。
大きな運河の出口は,出発地であるVennice portです。
ここから離水してヴェネツィア=リード空港に向かいます。
島の中にある草地の空港に着陸すれば,短いけれど魅力いっぱいのVFRの終了です。
まとめ
数種類のフォトシーナリーの利用と作成の試行で,ご紹介するまで時間がかかってしましました。
ベースとなるフォトシーナリーの色はEURベースが美しいのですが,欠けているタイルがあり,不足しているデータを別のフォトシーナリーから持ってくる煩雑な作業が必要です。
Googleのデータは,すこし暗い色調ですが海岸線を表示する目的には十分でした。
ベニス市街地は,フリーデータが表示してくれるのでフォトシーナリーには左右されません。
美しいベニスの町並みと運河を存分に楽しむことができるこのシーナリーを公開してくださった作者に感謝いたします。
ありがとうございました。
Enjoy Flight!
この記事で紹介しているシーナリーは,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.53をWindows10で使いVulkan設定で動作確認しています。
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