デフォルトシーナリーとして利用できる低解像度の全世界フォトシーナリー
フォトシーナリーといえば,詳細な地表面を表示するための目的で利用されるのが一般的です。
これとは逆の発想で旅客機やプライベートジェット機で高い巡航高度で飛行する時リアルな地表面を表示できるように作成されたフォトシーナリーがあります。
このシーナリーはZL13で作成してあるので,中低高度においては地表面がぼんやりとした表現になります。
けれどもHD-MeshとUHD-Meshの中間くらいの地形表現ができるので,HD-Meshよりも起動時間を短くすることができる上にリアルな地形を表示できます。
長距離飛行の場合には,離着陸に利用する空港の区域ではZL17レベル以上のフォトシーナリーを使い,それ以外の区域はこのシーナリーを利用することで快適な飛行環境を作成することができます。
FSX用に衛星写真を使ったフォトシーナリーが販売されていましたが,これは今回ご紹介するシーナリーと同じ使い方を想定していたようです。
全世界フォトシーナリー
このシーナリーは全世界をカバーするので,ディスク容量もそれなりに要求します。
展開後のフォルダーを収容するには,約540GB必要です。
ダウンロードとインストール
このデータのタイトルは”Global Photoscenery – IFR only“でX-Plane.orgからダウンロードリンクを取得します。

このとき表示された138GBと194GBの2つのファイルを一気にダウンロードしようとするとサーバーのタイムアウトで失敗する確率が高くなります。
幸いにも,10GB単位に小分けにしてダウンロードできるので,その方法を説明します。
まずダウンロードリンクに表示された”Jdownloader_links.txt“をダウンロードします。
このファイルを開き,一行ずつコピーしてブラウザーのアドレス欄に貼り付けて,各ファイルを順次ダウンロードしていきます。
複数のファイルをダウンロードしても,各ファイルが小さいので失敗してもそのデータだけのやり直しができるのが安心です。
データファイルの数はPart1(西経)が10GB単位で14,Part2(東経)が8GB単位で25と6GBのオーバーレイが1の合計40ファイルです。
インストール
各ファイルは7z形式で圧縮されていて,001ファイルを指定して展開するとフォルダーが復元されます。
出来上がった2つのフォトシーナリーフォルダーと2つのオーバーレイフォルダーのショートカットをX-Plane11のCommunityフォルダー内にコピーします。
つぎにX-Plane11をスタートし,メインメニューが表示されたらいったん終了します。
通常のフォトシーナリーのように,オーバーレイ,フォトシーナリーの順番になるようにScenery packs.iniファイルを編集します。
導入したScenery packs.iniファイルです。
なおオーバーレイファイルは,全世界のデータを収録しているので,新たに個別のOrtho4XPデータを作成する時には作る必要がありません。
X-Plane11での表示
デフォルトシーナリーとして利用することを想定して,X-Plane11を導入した直後のフォルダーにこのフォトシーナリーを導入して表示を確認しました。
フォトシーナリーのほかには,SAMライブラリーと高圧線を白く表示するテクスチャーのほか余分なものは入っていません。
広島市の風景
私の地元である広島市の沖合を表示したものです。
HD-Meshでなければ表示されないカクマ島や弁天島のような小さな島も表示されています。
島の表現は良いのですが,流石に市街地や河川の表現はいまいちです。
ここは自前で作成したフォトシーナリーを使う方がよいようです。
キリマンジャロ山の風景
さて,全世界フォトシーナリーということでフォトデータの少ないアフリカの地を表示してみることにしました。
目的地は,有名なキリマンジャロ山です。
出発空港は,”Kilimanjaro International Airport(HTKJ)”です。
まずデフォルトのキリマンジャロ山です。
地表表現は,全世界共通のテクスチャーです。
フォトシーナリーでは,当然ながら現地の地表面を再現したものになります。
周囲の風景と上空からの眺めは,流石というくらい美しいものです。
全世界レベルでこの品質なのですから驚くべきシーナリーです。
まとめ
主要場所の確保と導入には時間と手間がかかりますが,完成した時の満足度はかなり高いのでお試し下さい。
なお私は,デフォルトシーナリーとして利用することにしました。
Enjoy Flight!
この記事で紹介しているシーナリーは,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.53で動作確認しています。
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