季節変化対応が進んだX-EUROPE 5

Flightsimulator

ヨーロッパの風景で表示される建物,植生,構造物と道路をリアルに表示するためのライブラリーであるX-EuropeがVer5に更新されました。今回は,SAM Seasonsを利用した季節変化への正式対応と建物オブジェクトの更新などです。この新しいライブラリーの導入方法と効果について報告します。


季節変化に正式対応したヨーロッパの風景をグレードアップするライブラリー

X-Europe5の概要

X-Europeは,X-Plane10の時に初版が公開されたライブラリーで,VFR向けにヨーロッパの建物や構造物と道路をリアルに表示するものです。

そして今回は,X-Plane11.50に対応したX-Europe5.3が公開されました。

5.3の主な改良点は,SAM Seasonsの機能を活かして季節変化への対応バージョンを用意したこと,建物オブジェクトの品質を向上させ,植生部分を別ライブラリーとして独立させたことなどです。

なおこのライブラリーを利用するには,最新版のOpenSceneryXの導入が必要です。

また季節変化を楽しむためには,後述の季節対応データSAM Seasonsが必要です。

推奨環境

表示が改良されましたが,利用するための推奨環境については,マニュアルに明記されておらずできるだけ高いスペックのものを利用するようにとの記述があるだけです。

またVer4の時に記載されていた軽い環境用の設定データはなくなっています。

Ver4のマニュアルに書いてあった推奨環境は,8GBのVRAMを持つグラフィックカードと32GBのメモリーを持つPC,そして各地のフォトシーナリーを利用するときは高速のSSDに収納するようにとのことでした。

Europe5のダウンロードとインストール

ダウンロード

X-Europe5は,3つのパーツから構成されており,すべてsimHeaven.comのダウンロードページからダウンロードします。

ライブラリー本体(X-EUROPE 5)

ファイルサイズは6.2GBで,展開後のサイズは13.1GBだと告知されています。

ライブラリー全体のサイズは,X-Europe4よりも小さくなりました。

光回線で平日昼間の比較的回線が空いている時でもダウンロードに15分以上かかります。

ダウンロードする時には,ダウンロード中にPCやHDDが止まらないように電源の設定をしておきましょう。

ダウンロードしたファイルは,”simHeaven_X-Europe-5.3-full.7z“という名前です。

下の画面の右下の黄色のダウンロードリンクボタンをクリックします。

simheaven.comから引用

simHeaven | X-EUROPE

季節対応データ(X-Europe Seasons)

このデータも右下の黄色のダウンロードリンクボタンをクリックします。

ダウンロードしたファイルは,”simHeaven_X-Europe_Seasons.7z“という名前です。

simheaven.comから引用

https://simheaven.com/simdownloads/x-europe-seasons/

植生データ(Vegitation Library)

このデータも右下の黄色のダウンロードリンクボタンをクリックします。

ダウンロードしたファイルは,”simHeaven_Vegetation_Library.7z“という名前です。

このライブラリーには,X-EUROPE 4と同様に,FlyAgi Vegetationのデータが統合されています。

単純に考えるとFlyAgi Vegetationライブラリーは不要だと考えますが,ニュージーランドなどヨーロッパ以外の場所でFlyAgi Vegetationライブラリーを参照しているものがあります。

そこで私は,FlyAgi Vegetationライブラリーを削除せずX-EUROPE 5よりも優先順位を下げた場所に置いておくという方法をとっています。

simHeaven | Vegetation Library

インストール

ライブラリー本体の展開

3つのライブラリーパーツを展開する時に,収納先のディスクを指定して展開するようにしましょう。

私の場合は,リンク先フォルダーをG:ドライブにしているのでそこに収納しました。

収納したときには14GB超えのサイズになりました。

展開後のフォルダーには,7つのフォルダーとマニュアルがあります。

季節対応データの組み込み

季節変化に対応するデータは,別フォルダーにあるのでこれをX-EUROPE 5のフォルダーに統合します。

手順は”simHeaven_X-Europe_Seasons”フォルダーの中にある3つのデータを”simHeaven_X-Europe-5.3″フォルダーの中に上書きコピーするだけです。

X-Plane11への組み込み

季節データを組み込んだ7つのフォルダーと”simHeaven_Vegetation_Library”のショートカットを作り名前を整えた後,それらのショートカットをX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーします。

ディスク容量に余裕があれば,8つのフォルダーを直接Custom Sceneryフォルダー内にコピーしてもかまいません。

 

X-Plane11を起動後,メインメニューが表示されたら数秒後に終了します。

そして,X-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にある,”Scenery packs.ini“をメモ帳で開いて編集します。

X-EUROPE 5の位置をはっきりわかるようにしていれば以下の操作は不要です。

1 先頭部分にX-Europe5の7つのフォルダーへの定義があるので,先に導入していたX-Europe4のそばにコピーします。
2 そして,X-Europe4の定義部分を削除します。
3 Custom Sceneryフォルダー内のX-Europe4のフォルダーまたはリンクを削除します。

場所が特定しやすいことと安全対策のために,このような方法をとります。

Scenery packs.iniのなかに定義コメントを入れることができる方法を習得されておられれば定義位置を決めることができます。

 

また,X-Europe5付属のpdfマニュアルのp6に,”Scenery packs.ini”内におけるX-Europe5の詳しい定義位置が示されていますので参考にしてください。

定義位置編集の終わったScenery packs.iniファイル

重複するライブラリーの無効化と優先順位の変更

X-EUROPE 5は,X-Europe4はOSMデータに基づく建物配置を行います。

そのため,同じOSMデータを参照して作られているw2xp_Europe_mixを削除または無効化しておきます。

また建物などのライブラリーであるEurope_Libraryも同じく無効化しています。

いまのところ,このことによる影響はありません。

シーナリーによっては無効化したライブラリーを必要とすることがありますから,X-Plane11のシーナリー不足エラーを表示させるように設定しておきましょう。

X-Plane11での表示

ここでは,私がX-Europe4の時にご紹介したアゾレス諸島のホルタの街の変化を紹介します。

https://pbook.jp/11150/

ここは,フォトシーナリーを使っておらず,建物や船がたくさんあるので前のバージョンと比較しやすい場所です。

まず,X-EUROPE 4で表示したホルタの街です。

屋根の色が灰色で全体的におとなしい景色です。

X-Europe4での表示

下の画面が,X-EUROPE 5での表示です。

Ver3の時のような赤い屋根が増えていますが,雑然とした町並みがすっきりとしチャペルなど目立つ建物が加わっています。

また道路がはっきりと表示され,木や森の色も濃くなっています。

X-EUROPE 5を組み込んだホルタの街

X-EUROPE 4の時に気になった斜面にある一部の建物が地面から浮いている現象が修正されています。

X-EUROPE 4では,画面中央の建物の海側が浮いています。

 

X-EUROPE 5では,中央の建物に土台が追加され地面から浮いている現象が修正されました

まとめ

今回のライブラリーの改良で,季節感の豊かなヨーロッパの町並みが再現できるようになりました。

またX-Plane11では,OpenseneryXやX-EUROPE5での季節変化はSAMライブラリーで対応する流れが主流になってきました。

フリーウェアだけで季節変化が表現できるようになったことは,素晴らしいことだと考えます。

最後になりましたが,このような素晴らしいライブラリーを作成し公開していただいた皆様に御礼を申し上げます。

ありがとうございました。

Enjoy, Flight!


この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.50r3で動作確認をしています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました