アプリを使って超簡単にリモート操縦を行う方法
MSFSで場所移動やオートパイロットの目的地を変更したりするときは,開発者モードを使ったりFMSを操作したりと大変な手間を要します。
ところが超簡単に場所・高度・速度・目的場所を自由に設定できる外部アプリケーションが公開されました。
仲間同士飛行するアプリとして見つけたときには,そういう機会はあまりないので利用することは少ないかなと考えていました。
ところが使って見ると,これが驚くほど高機能なリモート操縦アプリであることが判りました。
このアプリは仲間同士が一緒に飛行するため,好きな場所に任意の高度・速度で移動したいという目的のために作られたものです。
ところがその目的を達成するために作られたことから,多機能な移動・リモート操縦アプリケーションとして使うことができます。
多機能な移動・リモート操縦アプリケーション
ダウンロードとインストール
ダウンロード
このアプリケーションは”FlightShare“という名前で,”Flightsim.to“からダウンロードできます。
最新版が随時公開されていますので,フォローして更新してください。
なお,このアプリは2020年MSFSベストアドオンに選ばれています。
インストール
MSFSの外部ツールですので,ダウンロードしたファイルを適当な場所で展開します。
出来上がったフォルダーの名前を”FlightShare“という名前に変更して,自分の好きなフォルダーに収容します。
“FlightShare”フォルダーを開き,“FlightShare.exe”のショートカットをデスクトップに作成します。
なお,このアプリの実行には管理者権限は不要です。
FlightShareの使い方
2020年11月19日現在,Webでマニュアルが公開されました。
トップメニューのHelpをクリックするとWebページが表示できます。
マニュアルは英語で書かれたpngファイルですので自動翻訳はできません。
以下は,初期の版のマニュアルがない時点で,私が使ってみて判ったリモート操縦機能の使い方について説明しています。
MSFSをスタートする前に,ショートカットをダブルクリックして”FlightShare”をスタートします。
環境整備
ニックネームの登録
最初にスタートしたとき自分のニックネームを登録する画面が表示されます。
登録したら”Start”ボタンをクリックします。
ニックネームは早い者勝ちで,他者と異なるニックネークを付ける必要があります。
このニックネームは,”FlightShare”のサーバーに保存され,参加者を識別する目的で使用されます。
同じニックネームが登録されていたら,警告ウインドウが表示されるので変更する必要があります。
一度作成したニックネームが気に入らなくなったときには,”FlightShare”フォルダー内にある”settings.json“ファイルを”setting.json.org“という名前に変更してから,再度”FlightShare”をスタートさせニックネームを登録します。
もとのニックネームに戻したいときには,バックアップの名前を元に戻せば復活します。
ニックネームを登録したら,デスクトップ上に地図画面が表示されます。
このウインドウの上部に自分のニックネームとバージョンが表示され,MSFSとの接続状態と参加者が表示されます。
サポートページの登録
メニューにある”Help”をクリックすると”Discord”というSNSページに参加するためのウインドウが開きます。
サポートはこのページで行われるので,必要と考えたならば登録しておきましょう。
いったん登録するとWindowsのスタート時に自動で表示されるようになるので,うっとうしいと感じたならスタートアップフォルダーから”Discord”ショートカットを削除しましょう。
この操作は,Windows10のスタートアップに関する知識が必要になりますので,判らない方は”スタートアップ”をネットで検索し操作方法をごらんください。
マルチデスクトップまたはマルチディスプレイの利用
“FlightShare”はムービングマップや飛行状況の表示機能を持っているので,マルチデスクトップを利用してMSFS画面と切り替えて使うか,思い切ってマルチディスプレイを使って表示することをおすすめします。
私は,最初マルチデスクトップで利用していて,このアプリの多機能さに感動し,セカンドPCの2台あったモニターの一つを流用してマルチディスプレイにしてしまいました。
MSFSのスタートと出発空港への移動
MSFSをスタートし,フライトの出発空港に移動します。
例として釧路空港(RJCK)に移動しています。
地図上の左にある”AIRPORT CODE”に”RJCK“と入力して”Enter”キーを押すと出発空港付近の地図に変わります。
このときのマルチディスプレイ画面が下の画像です。
高度とスピードのTeleportプリセット値入力
つぎに地図の上部にある”Teleport“の下にある”Altitude“に移動先で予定している高度を,”Speed“に速度を入力します。
セスナ172であれば,4000ft,120Ktあたりでしょう。
この設定が,”FlightShare”のなかで”Waypoint”のデフォルト設定時はプリセット高度と速度に使用されます。
なお,このプリセット値は,随時変更可能です。
最初の目的地へのオートパイロット
オートパイロットの初期化
まず”FlightShare”のデフォルト設定であるオートパイロットをOffにします。
MSFSとつながると画面上方に5つのボタンが表示されます。
その中の右から2番目に”Waypoints“というボタンがあるのでこれをクリックします。
表示されたWaypointsウインドウの上あたりにある”AutoPilot Control” 枠の中にある”Master”のチェックボックスのチェックを外しておきます。
このチェックボックスはデフォルトでONになっていますが,そのままではWaypointを設定したらすぐにオートパイロットが始まってしまいます。
なお”FlightShare”はMSFSのオートパイロットをコントロールしますが,機体にオートスロットルやVNAVの付いていない機体ではAutoPilotのスピードやVertical Speedにチェックを入れてもコントロールはできません。
またPiperCubなどは,オートパイロットがついていないので自動操縦はできません。
FMSの装備されている旅客機であればすべてのオートパイロットが機能するはずです。
Waypointの作成
離陸した直後,とりあえず行きたい場所に”Waypoint“を設定します。
“Waypoint”は”FlightShare”の地図画面のなかの目的地にマウスカーソルを置き,右クリックして出てきたウインドウの中にある”Add Waypoint“をクリックして設定します。
最初に設定した”Waypoint”は”Waypoint1“という名前になります。
“Waypoint1″は,滑走路の延長上で数分後に到達する場所に設定するのが安全です。
理由は,デフォルトでオートパイロットを無効化していないとき”Waypoint1″を設定すると同時に機首の方向,高度,スピードになるよう”FlightShare”が機体のコントロールを始めてしまうからです。
このWaypoint1は,現在の高度とスピードが維持されますので設定する前には巡航高度と速度に調節しておくのが良いでしょう。
“Waypoint”の追加
最初の”Waypoint1″を設定したあと次の目的地を”Waypoint2″として追加します。
追加した”Waypoint2″もプリセット値を採用します。
“Waypoint”の設定変更
“Waypoint2″の設定値を変更しましょう。
先ほどの”waypoints”というボタンがあるのでこれをクリックしてWaypointsウインドウを開きます。
表示されたWaypointsウインドウの真ん中下あたりにある”Edit Waypoint“をクリックすると”Waypoint”の設定値を変更できるようになります。
変更するには,表示されているそれぞれの値をクリックして希望の数字に書き換えた後に”Enter”キーを押すだけです。
変更が終了したら,”Save”しましょう。
また設定した複数のWaypointは,プランとして保管できフライトプランナーとしての機能も持っています。
但しこのプランは,MSFSには移行できません。
“Waypoint”の移動
設定してある”Waypoint”をマウスで左クリックしてドラッグすると任意の場所に移動できます。
反応しないときは,画面を拡大して何度か”Waypoint”をクリックしましょう。
“Waypoint”の削除と無効化
地図上で右クリックし”Clear Waypoints”を選ぶとすべての”Waypoint”を削除できます。
一つの”Waypoint”を削除するには画面上方にある”Waypoints”で表示されるウインドウの中でWaypoint行の右にある”Delete”ボタンをクリックします。
オートパイロット
離陸してWaypointsウインドウの”Master”チェックボックスにチェックを入れると設定したWaypointsをトレースしていきます。
任意の場所への転移
私の先の記事で開発者モードを使った”Teleport(転移)”方法を説明しました。
“FlightShare”での”Teleport“は,実に”Cool“です。
まず,プリセットの高度とスピード値を希望する転移先の高度とスピードに設定します。
地図上に転移先を表示し,その場所をマウスで右クリックします。
表示されたウインドウにある”Teleport Alt:xxxx Spd:yyy“をクリックするだけでその場所に機体が転移します。
操縦支援ゲージの表示
“FlightShare”には,操縦を支援するための2つのゲージが備わっています。
上部にある5つのボタンに”Altitude”,”Landing”という2つのボタンがあります。
まず”Altitude”ですが,高度の変化をモニターする補助ゲージです。
“Landing“は着陸態勢に入るまでの補助ゲージです。
使い方は,空港コードを入力するだけです。
なお最終アプローチまでのコースは,Waypointを追加していくだけで作成できますが,着陸をコントロールする機能はないのでMSFSのILSを使うことになります。
MSFSに機体のコントロールを戻す方法
地図上で右クリックし”Clear Waypoints“を選ぶとすべての”Waypoint”が削除され,機体のコントロールがMSFSに戻ります。
Masterスイッチを切っただけでは,飛行している場所によっては自動的にAutopilotに復帰することがあるので不十分です。
この点は改善の余地がありそうですね。
未確認の機能
WAypointsウインドウの”Deactivate”,”Hold”,”Keep”,”Presision”,”ETA(Estimated Time En-Route)”の使い方はまだ解明していません(^^;)
わかり次第記事修正を行うつもりです。
長くなりましたが,以上で”FlightShare”のリモート操縦の操作説明を終了いたします。
”FlightShare”本来の機能である「参加者との連携飛行」については,別の機会にでもご紹介できればいいかなと考えています。
まとめ
“FlightShare”は,使いこむほどハマってしまうリモートコントロールアプリです。
本来の使い方とは違っているのでしょうが,私は”FlightShare”が使いやすいイージーオートパイロットとして,転移ツールとしても優れていると考えます。
私のおすすめは,マルチウインドウに表示したムービングマップ上でリモートパイロットを楽しむことです。
Enjoy Flight!
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