カスタムシーナリーを使おうとしたとき,見つからないライブラリーが出てきます。そんなとき役に立つのがBackup Scenery Libraryです。けれどもそれでも補えない,ライブラリーパーツ不足によるシーナリーエラーが起きたとき,これを修復する方法があります。
どうしても見つからないライブラリーパーツを自前のライブラリーで補う方法
シーナリー不足エラーの発生
カスタムシーナリーを使おうとしたとき,見つからないライブラリーが出てきます。
公開されているライブラリーのバージョンアップなどによる名前の参照を補ってくれるのが”Backup Scenery Library“です。
けれど”Backup Scenery Library“を使ってもライブラリーパーツ不足によるシーナリーエラーが起きることがあります。

シーナリー不足エラーの表示です いやですね
作成者の方が公開したあとリンク切れに気がつかない場合とか,過去のバージョンのデフォルトライブラリーを参照しているというものです。
今回はこういったライブラリーパーツ不足によるシーナリーエラーを修復する方法を説明します。
“Repairing” by M. Photo from flickr
Backup Scenery Libraryの仕組み
Backup Scenery Libraryの働き
私の前の記事に”Backup Scenery Library”の説明があります。
BackupLibraryは,現在は公開されていないライブラリーパーツの名前参照を補うライブラリーです。
Backup Scenery Libraryフォルダーの中にある”Library.txt”
利用しているのはEXPORT_BACKUPコマンドです。

library.txtの内容
その仕組みは,”developer.x-plane.com“に説明があります。

EXPORT_BACKUP <仮想パス> <実際のパス>X-Plane 860の新機能: EXPORT_BACKUPコマンドは、exportコマンドと同じようにファイルをライブラリにマップします。ただし、特定の 仮想パスのアートワークを検索するとき、特定のファイルは最低の優先度として扱われ ます。
このコマンドの目的は、他のパッケージの優先度が高くなくても、他のパッケージのアートワークを使用しながら、シーナリーパッケージがそのDSFに最小限のアートワークを提供できるようにすることです。つまり、これは最後の手段のアートワークとしてファイルをマップします。
“developer.x-plane.com“から引用して自動翻訳したもの
つまり名前参照は,”EXPORT_BACKUP”コマンドを使って代替えしているのです。
この仕組みを使えば,どうしても見つからないライブラリーパーツを代替えパーツに置き換えることができるわけです。
Backup Scenery Libraryの作者の方は,見つからないパーツがあったら連絡をくれるようにと”readme.txt”に書いておられます。
Backup Scenery Library の”readme.txt”から引用
しかしながら,個人的なライブラリー,あるいは公式にサポートできないライブラリーである場合には,Backup Scenery Libraryに含めることは難しいと思われます。
そこで,個人的に使う”Backup Scenery Library”を作る事にしました。
元になるのはもちろん”Backup Scenery Library”です。
作成したものは,”Backup Scenery Library”の内容をそのまま使うため,著作権上問題があるので作り方だけを説明します。
個人用”Backup Scenery Library”の作り方
“BackupLibrary”の複製
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“BackupLibrary”フォルダーを適当な場所にコピーして名前を変更します。私は”Repair Library“としました。
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フォルダー内にある”library.txt”をメモ帳かエディターで開きます。
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冒頭部分で最初の”EXPORT_BACKUP”までをコピーして”newlibrary.txt”という名前で保存します。
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元の”library.txt”を削除します。
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“newlibrary.txt”の名前を”library.txt”に変えます。
エラーを起こしているパーツを特定する
問題を起こしているパーツを特定するには,エラーが起きたときの”X-Plane11″フォルダーの中にある”log.txt“を使います。
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“log.txt”をメモ帳かエディターで開きます。
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検索機能を使い”error“を検索します。
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いくつかの検索結果の内,シーナリーエラーの部分を見つけます。
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その前後に,見つからないパーツの名前が表示されています。
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下の画像では,”My_Library/Flowers/flower7.obj“です。
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この部分をコピーアンドペーストで,”Repair Library”フォルダー内の”library.txt”の”EXPORT_BACKUP “の後にコピーします。
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つぎに” placeholders/placeholder.obj”の前までを削除します。
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できあがった行は次のようになります。
“EXPORT_BACKUP My_Library/Flowers/flower7.obj placeholders/placeholder.obj”
X-Plane11に導入する
できあがった”Repair Library”フォルダーをX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーします。
Custom Sceneryフォルダー内にあるScenery packs.iniファイルを開き,次のように”Backup Scenery Library”の下に位置するよう編集します。
これで導入作業は終了です。
見つからないライブラリーパーツの追加
一つ見つからないパーツを修復して,X-Plane11をスタートさせると次のエラーが発生することもあります。
ひとつひとつ見つからないパーツを”Repair Library”フォルダーの”library.txt”に追加します。

2つのパーツを記述しています
まとめ
“Backup Scenery Library”にはずいぶん助けられていると思いますが,それでもシーナリーエラーが発生することがあります。
そんなときパーツを表示できなくても,エラーを発生させない方法としてご紹介しました。
“Repair Library”に書いた後にライブラリーが見つかれば良いので,それまでのつなぎとして利用して下さい。
Enjoy, Flight!
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.41と11.50β14で動作確認をしました。
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