最近公開されX-Plane.orgで注目されているスクリプトがあります。付加するだけでFPSを5向上させるという触れ込みです。実際の効果を調べてみたので報告します。また3jFPSとの併用効果についても調べてみました。
付加するだけでFPSを5以上向上させるスクリプト
FPSを向上させる注目のスクリプト
最近公開されX-Plane.orgで注目されているスクリプトがあります。
付加するだけでFPSを5~40向上させるという触れ込みです。
私はw2xpの東京都心のデータを使うようになりFPSがかなり厳しい状況になっているので,その効果を調べてみました。
スクリプトのダウンロードとインストール
ダウンロード
タイトルは”FPS PERFORMANCE BOOST SCRIPT 1.1.1“で,X-Plane.orgからダウンロードします。
なお2020年7月19日時点で1.1.4に更新されています。
ダウンロードリンクをクリックすると4種類のスクリプトが表示されます。
どれが自分に合うかはわからないので,すべてダウンロードしておきます。
このデータはFlywithluaのスクリプトなので,あらかじめ導入しておく必要があります。
“Flywithlua”のインストールについては,私の過去の記事をご覧下さい。
インストール
このデータの記事に導入方法が書いてあります。
ダウンロードした4種類のzipファイルを適当な場所で展開します。
出来上がったフォルダーの中にある”.lua“という拡張子がついているのがスクリプトファイルです。
このスクリプトを”X-plane 11>Resources>Plugins>FlyWithLua>Scripts“にコピーします。
ここで注意が必要なのは,今回インストールするスクリプトは,距離によって表示するものを制限する働きをします。
同じような働きをする”3jFPS“スクリプトとは競合する可能性がありますが,最近書かれた作者のコメントによると併用が可能とのことです(効果については後述)。
他の競合する可能性のあるスクリプトは,あらかじめ別のフォルダーに移しておきましょう。
それから,4種類あるスクリプトは同時使用はできません。
一度に一つづつ試してみて自分に合ったスクリプトを使います。
4種類のスクリプトの特徴は記事に記載があるので,引用します。
Boostfps.lua:特別なオブジェクトドローでまともなFPSブーストを提供し、不要な量のFPSを避けてゲームエクスペリエンスを向上させます。また、美しい風景を損なわないFPSブースターが必要な方にもお勧めです。
Boostfpswithshadows.lua:前と同じFPSブーストを提供しますが、シャドウを追加します。FPSが25未満の場合、約4 FPSかかるため、これはお勧めできません。
Boostextrafps.lua:風景と環境にわずかな変更を加えながら、FPSをさらに向上させます。これは、水の反射や風景をあまり気にせず、FPSを増やすために推奨されます。
Boostfpswithlessdraw.lua:ドローの少ないFPSブーストを提供して、同じFPSブーストを与えながら風景の外観を改善します。私自身はFPSに違いは見られませんでしたが、景観が改善されました。これは、FPSの平均が25を超えるユーザーに強くお勧めします。ただし、ローエンドのPCを使用している場合は、ゲームプレイに不快な結果や影響を与える可能性があるため、お勧めしません。
X-Plane.orgの記事より引用
Boostfpswithshadows.luaの修正
この誤りは1.1.4では,修正済みです。
調べていたところ1.1.1のBoostfpswithshadows.luaに不具合をみつけました。
シーナリーに影を追加すると言うことでしたが,影が表示されませんでした。
スクリプトを調べると,シーナリーの影を表示しない設定がされていました。
この修正は,Boostfpswithshadows.luaをエディターで開き次のように編集し上書き保存することで行います。
X-Plane11での効果
私の環境でも重いと感じる”Japan pro“を併用しているデフォルトの羽田空港34Rで雲を少し表示してFPSを測定しました。
グラフィック設定は次の画面の私がVFRに使う環境です。
それぞれのスクリプトを使用したときのFPSと前方の市街地の見え具合を比較しました。
なお測定は,w2xpデータを利用していない環境で行いました。
スクリプトのない環境
私の環境では,30fpsで前方に市街地が見えます。
3jFPS-wizardのAuto
FPSは38ですが,前方の市街地はまばらになっています。
Boostfps.lua
基本的な設定のスクリプトです。
確かにFPSが41になりノーマルに比べ11向上しています。
前方のビルの見え方はノーマルとさほど変わらないようです。
なおシーナリーの影は表示されません。
Boostfpswithshadows.lua
FPSは+4で,前のスクリプトに比べて7ポイント減少しています。
説明よりもFPSがさがったのはシーナリーの影を表示するよう変更したものと思われます。
前方のビルの見え方はノーマルとさほど変わらないようで,私の環境に合っている設定だなと考えました。
Boostextrafps.lua
FPSはノーマル比+4で,私が反射を0にしているせいで違いがわからないスクリプトです。
このスクリプトもシーナリーの影は表示されません。
Boostfpswithlessdraw.lua
強くFPS向上をねらったスクリプトのようで,FPSはノーマルに比べて+19です。
しかし前方の市街地のビルは,ほとんど表示されていません。
私の環境ではVFRに使えないスクリプトです。
結果と課題
表示する距離の効果
先に書いたように,このスクリプトの原理は距離によって表示するものを減らすというものです。
この原理は3jFPSでも利用されているのですが,簡単に利用できることとスクリプトはX-Plane11の設定を一度行うだけなので3jFPSに比べてCPUへの負荷が少ない点が評価できると思います。
一方”3jFPS”は設定が複雑ですが,影を表示したまま環境に応じて動的にオブジェクトの表示数や雲の見え方を変えるスクリプトです。
オブジェクトや雲の見え方は,飛行中でも変更できるところが実用的です。
影の効果
影の効果を調べるために,グラフィック設定で影を表示しない設定にすると,スクリプトを追加しなくても5FPS以上向上しました。
つまり,影分を差し引くと私の環境でのスクリプトによるFPSの増分は-1~14ということになります。
スクリプトの効果的な利用法
状況によるスクリプトの選び方
スクリプトの利用場面
れぞれのスクリプトは,ひとつだけ固定して使うのではなく,いろいろな場面で必要に応じて効果的に利用することができます。
通常は,飛行中にCPUに負荷をあたえないことからBoostfpswithshadows.luaをつかいます。
シーナリーの影を表示しないBoostfps.luaは,ビルディングの多い都市部での利用,特にw2xpデータを使った大阪や福岡のような大都市が良い例になります。
3jFPSは,w2xpデータを使った東京都心部を飛行するとき,オブジェクト表示を制限した設定で離着陸を行い,遊覧飛行中にスクリプトをオフにするという使い方ができます。
スクリプトの切替
3つのスクリプトの切替は飛行中にはできませんので,飛行する出発地と目的地の状況でスクリプトをえらびます。
3つのスクリプトを”scripts”フォルダーの中におきます。
どのスクリプトも拡張子が”.lua”ですから,これを”.lua.txt”と名前を変えておきます。
利用するスクリプトの拡張子から”.txt”を削除すれば簡単にスクリプトを有効化できます。
3jFPSスクリプトとの併用効果
作者がBoostfpswithshadows.luaと3jFPSは併用できるとコメントしておられるので,その効果を調べてみました。
X-Plane11.50β15がリリースされているので,これで調べました。
場所はRJTTカスタムシーナリーの34R滑走路上で,Ortho4XPデータ,w2xpデータとJapan proと私が常用している環境で調べました。
FPSについては,28FPSと実用的な数値で,両者にほとんど違いはありませんでした。
けれども,遠景の見え方には少し違いがありました。
下の画面から判断すれば,併用の方が遠景で少しだけビルがハッキリ表示できています。
まとめ
このスクリプトは利用者のフィードバックを得て改良されるらしいので今後に期待したいと思います。
影消去の効果は大きいのですが,夜明けや夕方の影は雰囲気作りに役立ちますので,私は消したくありません。
3jFPSとBoostfpswithshadows.luaの併用で,飛行機に近いところだけに影が表示されます。
X-Plane11.50で,2つのスクリプトを効果的に利用できることがわかったのがうれしいですね。
Enjoy, Flight!
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.41r1と11.50β15を使って表示しています。
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