新しいX-Plane11で自分に合う適切な地形データを選ぶ方法

Flightsimulator

X-Plane11で使える地形データはデフォルトを除くとHDメッシュv4,Ortho4XP,UHDメッシュの3種類があります。X-Plane11のデフォルトシーナリーはHDメッシュv3よりも新しいOSMデータに基づいています。HDメッシュv4は新しいOSMデータに基づいていて解像度が高いデータです。Ortho4XPメッシュはデフォルトでは最新の”VIEWFINDER PANORAMAS”のデータに基づいて作られます。VFRを行うときには地形や地表のランドマークを目標に4000mフィート位を飛びます。X-Plane11.50β9で飛ぶ時どの地形データを使うのが良いのか調べてみました。


X-Plane11.50で使う地形データをデータと見え方の違いで選ぶ

メッシュデータの種類

X-Plane11で使える地形データはデフォルトデータ,HDメッシュv4Ortho4XPUHDメッシュの4種類があります。

X-Plane11のデフォルトシーナリーはHDメッシュv3よりも新しいOSMデータに基づいています。

HDメッシュv4は新しいOSMデータに基づいていて,デフォルトシーナリーよりも解像度が高いデータです。

Ortho4XPデータはデフォルトでは最新の”VIEWFINDER PANORAMAS“のデータに基づいて作られるのでHDメッシュv4に準じた地形データになります。

VFRを行うときには4000mフィート位の高度で地形や地表のランドマークを目標に飛びます。

まもなくX-Plane11.50が公開されますが,その時どの地形データを使うのがVFRのために良いのかβ9で調べてみました。

X-Plane11.50でメッシュデータを選ぶときに覚えておくこと

Ortho4XPフォトシーナリーの季節対応

私はデフォルトシーナリーを含めて季節の風景変化に対応できるかを重要だと考えています。

私はこれまでフォトシーナリーは,季節の変化を反映できないと考えていました。

この数年で,SUM-SeasonsやOpenSeceneryXの併用で季節による樹木の色変化が表現できるようになりました。

https://pbook.jp/post-12540/

また有料ですがSimtilesを使えば雪景色も表示できるようになりました。

https://pbook.jp/post-12485/

これらのことから,Ortho4XPも日本をVFRで飛ぶ時のメッシュデータの選択肢の一つになったと考えました。

X-Plane11.50でのグラフィックドライバーの改善の影響

FPSとスタートまでの時間の測定項目と条件

X-Plane11.50ではVulkanドライバーの採用によるグラフィックパフォーマンスの改善が目玉になっています。

確かにβ9でのFPSは11.41r1に比べてかなり改善されています。

あとは,メッシュシーナリーごとにスタートまでの時間を比較し,地表の見映えを比べてみれば良いのではないかと考えました。

Ortho4XPで作ったフォトシーナリーは,容量が大きいので収容するPCインフラも課題になりますのでそのあたりも調べてみました。

今回比較したのは,デフォルトシーナリーOrtho4XPで作ったフォトシーナリー精細地形(HD)メッシュシーナリー高精細地形(UHD)メッシュシーナリーです。

調べた項目は,フライト開始からフライト画面が表示されるまでの時間(フライトスタート時間)と,私の住んでいる広島市沖の似ノ島を表示したときのFPS風景の見え方です。

テストでは区域の重複がありますが,同じ区域で2種類以上のメッシュデータを使った場合,利用されるのはScenery packs.iniファイルで上位にあるデータだけです。

そのため,実際にデータを利用するとき,同じ区域に2つ以上のデータを使うことには意味がありません

グラフ内のテスト条件の略記は次のとおりです。

Default(X-Plane11.50β9付属のデータ)

All HD:精細地形データ(日本全域のzzz_hd_grobal_scenery4を利用)

All UHD:高精細地形データ(日本全域のzzz_uhd_grobal_scenery4を利用)

All Ortho4XP (西日本全域のzOrtho4XPデータを利用)

1 Ortho4XP over UHD (zOrtho4XP_+34+132.dsfとzzz_uhd_grobal_scenery4の+34+132.dsfを含むすべてのdsfを同時利用,優先順位はOrtho4XPが上位)

1 Ortho4XP+other HD(zOrtho4XP_+34+132.dsfとzzz_hd_grobal_scenery4の+34+132.dsf以外のdsfを同時利用,優先順位はOrtho4XPが上位)

1 Ortho4XP+other UHD(zOrtho4XP_+34+132.dsfとzzz_uhd_grobal_scenery4の+34+132.dsf以外のdsfを同時利用,優先順位はOrtho4XPが上位)

結果にはストップウォッチを操作した私の指の誤差があるので,傾向だけをご覧下さい。

このデータをとった私のPCは,次の仕様です。

Corei7-4790K-4GHz,RTX2060super:8GB,RAM32GB,SSD 1TB,Win10pro64bit
X-Plane11の設定

負荷をかけて測定するため,11.41r1では到底使えないようなHi設定で計測しました。

結果は,11.50β9はビックリするパフォーマンスを発揮しました。

私のPCでX-Plane11.41r1をこんな設定をするとFPSは10以下になってしまいます

フライトスタート時間

グラフを見ていただくとUHDのスタートまでの時間の長さが目立ちます。

余計なデータの処理時間がないデフォルトのスタート時間が短いのは当然です。

Ortho4XPはHDやUHDメッシュデータよりスタート時間が短くなりました。

これは,dsfデータの大きさによるものと思われます。

Ortho4XPのdsfは29MB,UHDのdsfは75MBあります。

またOrtho4XP over UHDの時間が長いのは,同じ区域のデータを重複読み込みしたことによるものと推測されます。

FPS

FPSでは,UHDがOrtho4XPグループよりも5位低くなる傾向があり,HDはその中間になっています。

デフォルトのFPSがOrtho4XPより低かったのは意外でしたが,フォトシーナリーベースのAFS2(Aerosoft Flight Simurator2)が高いFPSで動くことを考えると不思議ではないのかもしれません。

風景の見え方

似ノ島の見え方を比較してみましょう。

デフォルトでは,似ノ島の隣にある弁天島がありませんので,VFRでは問題ありです。

HDでは弁天島が表示されますが,地表の町並みはデフォルトとかわりません。

UHDでは,地形がより詳細になりますがFPSがHDより低くなります。

Ortho4XPでは,フォトシーナリーなので町並みがわかるのと,島の形がしっかり表現できています。

FPSも高いのですが,画面左端の出島沖埋立地の白い空き地のような表現は残念です。

Ortho4XPと他のUHDメッシュを併用したときの画面です。

FPSがOrtho4XPを単独で使用した時より低くなっています。

この場所はOrtho4XPで表示されていますから,Ortho4XPと同じ画面になります

Ortho4XPの課題

今回の結果だけで判断すると,Ortho4XPの利用が良いのではないかと考えられますが,Ortho4XPデータの課題もまだいくつか残っています。

PCインフラ

Ortho4XPでデータを作成すると,緯度経度各1度の範囲をすべてフォトシーナリーで作る事になります。

この区域内のデータを分割して一部だけを利用することはできません。

一番の課題は,シーナリーデータの大きさです。

日本全域の高精細地形(UHD)データは約7GB,精細地形(HD)データは約2.2GBです。

“zOrtho4XP_+34+132″の1区画をVFRに使うZL=17で作成すると7.29GBになります。

この規格で日本全国をカバーすると単純計算で89区画で約650GBとなりますが,実際に作って見た結果では372GBで済みました。

そうはいっても,これだけの容量をPC内に確保するのはけっこう大変です。

また高精細地形メッシュはメインRAMとVRAMの必要量が大きいのですが,フォトシ-ナリーはそれ以上に必要量が大きくなるという問題があります。

2019年末に自分のPCインフラを強化する以前には,UHDメッシュやフォトシーナリーで苦労した事を私は覚えています。

データ作成について

Ortho4XPデータ作成時には,設定によって水面に模様ができたり,川が変な色になったりするので値の設定は試行錯誤です。

また,区域内で色の違う写真を使ってシーナリーが作成されることがあり,その修正も課題です。

雪景色は,Simtilesで作れるのですがフリーバージョンでは作成時間が長いのが負担になります。

有償のSimtilesを使わないのであれば,雪景色を楽しむときにはフォトシーナリーを無効化するということになるでしょう。

まとめ

11.50で主として使うメッシュデータを選ぶために比較をしましたが,それがPCインフラ強化につながっては費用の点で元も子もありません。

今回調べた結果から結論づけると,VFRを楽しむとき出発地と到着地だけをOrtho4XPデータを利用し,中抜きとしてHDを使うのがよいということになります。

まあ私としては面倒なことをしたくないのと経費節減のため,HDDの中の古いデータを整理して空き容量を捻出して収容しました(^^ゞ

Ortho4XPを使ってのフォトシ-ナリー作成手順は,先輩諸兄が作成された手順がネットで探せば見つかります。

私も自分のための覚え書きのため,作成手順と設定値を別記事で投稿いたします。

またシーナリーの色の修正方法と無料ツールは見つかりましたが,操作は習熟中です。

Simtilesは,新型コロナの影響による「引きこもり割引」で半額になっていたのでポチりました(^^;)

結局私は,フォトシーナリーの色修正が完了するまではHDメッシュを併用することになると思います。

最後に私が現在作成中の広島市沿岸部と中心街を国土地理院の航空写真から作成したフォトシーナリーとOrtho4XPとHDデータとのコラボ画面をご紹介して締めくくりといたします。

画面左端のリアルな埋立地をご覧下さい

市街地だけのフォトシーナリーですからHDメッシュデータでも使えます

Enjoy, Flight!

 


この記事のデータは,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.50β9で確認をしました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました