1998年に開港した香港国際空港は,香港島の少し西にある赤鱲角(Chek Lap Kok)という小さな島の周囲を埋め立てて作られた人工島にあります。3,800mの2本の滑走路のある巨大なハブ空港で,英国が香港を中国に返還する際の置き土産という意味を持っています。この巨大空港と周囲の景観を楽しむことのできるフリーシーナリーが公開されているのでご紹介します。
新しい香港国際空港を空から楽しめる香港国際空港シーナリーパッケージ
香港国際空港について
1998年に開港した香港国際空港は,香港島の少し西にある赤鱲角(Chek Lap Kok)という小さな島の周囲を埋め立てて作られた人工島にあります。
この空港は,英国最後の総督が英国が香港を中国に返還する際の置き土産という意味を持たせようと変換する年に開港させる予定でした。
難工事のため,1年開港が遅れて3,800mの2本の滑走路のある巨大なハブ空港が開港しました。
詳しくはWikipediaの記事をお読みください。
X-Plane11の香港国際空港シーナリーパッケージ
シーナリーパッケージの構成
あえて「パッケージ」と呼んだのは,このシーナリーが3つのシーナリーから構成されているからです。
先の記事でご紹介したレバノンのベイルート空港の構成に似ています。
香港国際空港のパッケージは,空港シーナリー,香港市街地そしてフォトシーナリーで構成されています。
シーナリーを表示するために多くのライブラリーを利用しますが,空港周辺にあるほとんどのランドマークは独自オブジェクトで構成されています。
香港国際空港の周りにはマングローブ林が形成されており,冬の最低気温は14℃で雪が積もらないのでフォトシーナリーには適しています。
では,シーナリーを導入する手順を説明します。
香港国際空港パッケージのダウンロードとインストール
ダウンロード
空港と市街地のファイルのタイトルは”VHHH – Hong Kong Chek Lap Kok International 2.1.1“でX-Plane.orgよりダウンロードします。
フォトシーナリーを使う場合には,空港シーナリーのページ内にある”MEGAsynk“のリンクから4.65GBの大きさのファイルを別途ダウンロードします。
“MEGAsynk“はGoogleDriveのような仕組みで,無料会員登録で50GBまでのストレージが利用できるサービスです。
無料会員の転送量には制限がありますが,今回のファイルをダウンロードするだけなら有料会員登録は不要です。
ダウンロードするには,直接ダウンロードするのではなく自分のストレージエリアにコピーしてからダウンロードします。
表示に必要なライブラリーは次のとおりですので,導入を済ませておいてください。
GT Library
FJS Library
CDB Library
MisterX Library
OpensceneryX
Aircraft Static and Animated
NAPS Library
GT Library
3D People Library
BS2001 Object Library
PP library
FF Library
RE Library
World models library
FAIB Library
RA Library
SAM Library
インストール
空港と市街地シーナリー
ダウンロードした”VHHH_V2.1.1.zip“を適当な場所で展開します。
できあがった”VHHH_V2.1.1“フォルダーを開きます。
中にある”VHHH_2.1.1“,”VHHH_City“,”yOrtho4XP_Overlays“の3つのフォルダーをX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーします。
なお,”SAM Library“フォルダーは,別途”SAMLibrary”をインストール済みの場合はコピーする必要はありません。
フォトシーナリー
ダウンロードした”zOrtho4XP_+22+113.zip“ファイルをCustom Sceneryフォルダー内に展開します。
展開後のフォルダーは5.90GBありますから収納先のドライブ容量には注意してください。
私が先にご紹介した別のフォルダーに収納しリンクを貼り付けることでも利用可能です。
ILSの修正
まずX-Plane 11>Custom Dataフォルダーを開きます。
このフォルダー内に”user_nav.dat”ファイルがあるかどうかを確認します。
“user_nav.dat”ファイルがある場合
“VHHH_V2.1.1″フォルダー内にある”README_FIRST_INSTALLATION.txt”の説明にあるように”user_nav.dat”をメモ帳で開き説明内にあるILS修正定義を付け加えます。
“user_nav.dat”ファイルがない場合
“VHHH_V2.1.1″フォルダーの中にある”user_nav.dat”をX-Plane 11>Custom Dataフォルダーにコピーします。
これまでの作業を模式図で表示いたします。
Scenery packs.iniファイル内定義の調整
コピーが終わったら,Scenery packs.iniファイルをメモ帳で開き,つぎのように定義位置を調整します。
フォトシーナリーである”zOrtho4XP_+22+113″フォルダーは,メッシュデータの上あたりにおきます。
“yOrtho4XP_Overlays”は,”zOrtho4XP_+22+113″フォルダーの上あたりにおきます。
“VHHH_2.1.1″は”VHHH_City”の上になるようにおきます。
X-Plane11での表示
空港シーナリーパッケージの紹介の中で,このシーナリーは重いので注意するよう説明があります。
空港と市街地そしてフォトシーナリーを組み合わせたシーナリーですから,先にご紹介したベイルートのように重くなるのはしかたがありません。
私の環境では滑走路上で35FPSでしたから,ベイルート(27FPS)よりも軽いですが羽田(40FPS)よりは重いというところです。
重すぎるならフォトシーナリーを無効化するなど,自分の環境にあわせて調整してください。
では,緻密に作られたこのシーナリーをご紹介します。
空港全景と周囲の景観
空港周囲の景観
空港ターミナルの驚くべき細部
遊覧飛行
ロープウェイと大仏
空港を離陸し,空港名の元になった島の名残を右に見て旋回するとロープウェイが見えます。
“昂坪(ゴンピン)360スカイレイル”というロープウェイが見えます。
ロープウェイの先には”寶蓮禅寺の大仏(天壇大仏)”が見えてきます。
実物は,こちらのページでご覧いただけます。
港珠澳大橋
大仏からマカオ方面に向かうと長大な橋を目にすることができます。
この橋はマカオに向かう港珠澳大橋(こうじゅおう・おおはし)で全長は55kmあります。
世界最大の橋で日本最長の橋「東京湾アクアブリッジ」の約13倍もあります。
旋回して中国本土から旧香港市街地九龍地区までVFR飛行すると市街地の景観を楽しむことができます。
Kai Tak跡地を眺めて旋回し,香港国際空港に戻りましょう。
Kai Tak空港跡地の処理
X-Plane11.41を更新した時期によっては,”Hong Kong Old(VHHX)”が九龍地区に表示されることがあります。
その場合,ここからダウンロードできる隠すシーナリーを導入してください。
ダウンロードした”VHHX_Hide Hong Kong Old.zip”をCustom Sceneryフォルダー内に展開することで隠すことができます。
なおVHHXは,11.50bでは削除されています。
まとめ
この空港シーナリーパッケージには,ソースファイルが付属しています。
このシーナリーの作り込みのすごさと素晴らしさは,このソースファイルを見るだけでも感じることができます。
これだけの努力をされたことにケチを付けるわけではないのですが,フォトシーナリーと空港シーナリーのつなぎ目や橋のオブジェクトとの連絡など作者が苦労された部分につい目が向いてしまうのは,シーナリー作成に手を染めたせいなのかもしれません。
今後もこのシーナリーは,ますます改善されて素晴らしくなっていくのだと思いますので期待して待つことにしましょう。
Enjoy, Flight!
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.41r1と11.50bで表示確認をしました。
コメント
先日、私もチェックラップコク国際空港をインストールしてフライトしていました。
初めて離陸して上空からオブジェクトを確認した際、フリーウェアにもかかわらず詳細な作り込みに驚いてしまいました。だから、X-Plane 11はやめられない(笑)。
DLページの写真を良く確認していなかったので、施設内部や周辺のランドマーク・オブジェクトまで作製されていることは気づきませんでした。作者のtodさんに大感謝ですね。
まだ、インストールしていませんが近くのマカオ国際空港もダウンロードしていますので、カイタック空港も含めて暫くは香港周辺でのフライトが多くなりそうです。