私がX-Plane11を新しいシミュレーターに選んだ理由の一つにMSFSからシーナリーを変換できるということがあります。実際にX-Plane11でシーナリーを探すと変換するまでもなく,たくさんのシーナリーがありました。けれども小さな飛行場では滑走路だけのものがあります。そこでFS2004やFSXのシーナリーをX-Plane用に変換して使おうということになります。シーナリーの編集スキルが少しだけ身に付いたのでこのツールについて説明いたします。
FS2004やFSXからシーナリーを変換するツールとその方法について
シーナリー変換を必要とする理由
私がX-Plane11を新しいシミュレーターに選んだ理由の一つにFS2004やFSX(以下”MSFS”と略記します。)のシーナリーをX-Plane用に変換できるということがありました。
実際にX-Plane11を導入しシーナリーを探してみると変換するまでもなく,たくさんのシーナリーがありました。
けれども11.41になっても小さな飛行場では滑走路だけのものがあります。
どうしても我慢できなければ,MSFSのシーナリーをX-Plane用に変換して使いたいという気持ちになります。
そういう方のために,シーナリー変換の方法を説明します。
なお,シーナリー作成のスキルが全くないと変換してからの修正ができませんので,この点をご了解ください。
シーナリー変換に使うツール
変換するツール
これはただ一つ”FS2Xplane“というツールです。
入手先はつぎのところにあります。
変換後に修正するツール
これは”World Editor“と”Ovelay Editor“を使います。
入手は,先ほどの場所からもダウンロードできます。
FS2Xplaneのインストール
ダウンロードした”FS2XPlane_326_win32.exe”を管理者権限で実行します。
インストーラーは,導入先のフォルダーを聞いてくるので,Windows10のプログラムフォルダー以外を入力しましょう。
シーナリーの変換方法
シーナリーの変換方法は,”FS2Xplane”を導入したフォルダー内にある”FS2XPlane.html“に詳しく書いてあります。
またX-Plane.orgにも注意書きを含めた記事があります。
準備作業
シーナリーライブラリー
MSFSのフリー・シーナリーは,フリーウェアのライブラリーを参照しているものがあります。
その場合,それらのライブラリーをそろえておく必要があります。
必要なライブラリーは,”Flightsim.com”などから入手できます。
変換元フォルダー
シーナリー変換には,MSFSをインストールしているフォルダーがあれば簡単です。
それがなければ,ダミーのフォルダー構成を作る必要があります。
例としては”FS9/ADDON SCENERY“のようになります。
このフォルダーにフリーウェアシーナリーをインストールして変換元にします。
フリーウェアシーナリーがインストーラー型の場合は,前記のフォルダーに導入します。
変換作業
それでは変換作業について説明します。
例として,FS2004向けにFS道楽を運営されているAYAさんが作成された佐渡空港(RJSD)を使いました。
佐渡空港は,X-Plane11.41r1でも2D空港のままでGatewayでも取り上げられていません。
FS2Xplaneの起動とフォルダー名の入力
“FS2Xplane”を起動します。
“FS2Xplane”を導入したフォルダーを開きます。
Windows10の場合,この中にある”FS2Xplane.exe“をクリックします。
なお互換性設定は不要です。
フォルダーの中にある”fs2xp.exe”は,同機能のコマンドラインツールで使い方は”FS2Xplane.html”に記載されています。
“FS2Xplane.exe”の画面が表示されたらMSFSの変換元のシーナリーフォルダー名,MSFSのライブラリーフォルダー名,変換後の”X-Plane1>Custom scenery>変換先フォルダー名”を入力します。
通常はライブラリーフォルダー名はシーナリーフォルダー名と同じです。
オプションの指定
オプションとしてX-Planeのバージョンを選びます,ここはv10を選んでください。
そうでないとATCが削除されてしまいます。
つぎにSeasonですが,通常は”Spring”か”Summer”を選びます。
右側にある“Just extract library objects”のチェックボックスを空欄にします。
これらのオプションの説明は,”FS2Xplane.html”に記載されています。
すべてを入力し終わったら,”Convert“ボタンをクリックすると変換が始まります。
佐渡空港の場合,十数秒で変換が終了します。
変換に失敗したときの表示
いろいろなライブラリーを参照している空港の場合,”FS2Xplane.exe”が変換できないとのメッセージを表示することがあります。
この場合は,メッセージを読んで対応することになります。
変換が無事終了すると,”Done.“と書かれたウインドウが表示されます。
X-Plane11での表示
変換されたシーナリーを表示してみます。
変換したてのシーナリーは,何らかの不具合を抱えているのが普通です。
“FS2Xplane.html”には,利用に当たっての注意書があります。
佐渡空港を表示したところです。
X-Plane11の道路が滑走路を斜めに横切っており,ターミナルビルに樹が生えています。
このままでは利用できないので,修正を行います。
WEDでの読み込み
修正作業
WEDを起動し,佐渡空港のシーナリーフォルダーからdsfファイルとapt.datをインポートします。
するとシーナリー全体の方位が実際の空港位置とずれているのが原因だとわかります。
おそらくX-Plane11とFS2004では,シーナリーの方位の基準が違うのだろうと思います。
個人的な印象ですが,このずれはFSXシーナリーでは少ないという気がします。
さてWEDで滑走路の方位の修正と樹が生えないように除外区域の追加設定を行います。
ついでに,Boundary区域を設定して空港敷地を平らにします。
滑走路をFlatに左側通行を設定したら基本的な変更は終了です。
apt.datとソースを保存し,Seneryパッケージを出力すれば作業終了です。
後で細かいオブジェクトの修正や追加は,OverlayEditorで行いましょう。
修正作業はWEDやOverlayEditorの操作に習熟していないと,変換作業も難しく感じると思います。
修正後の佐渡空港
修正した佐渡空港です。
デフォルト空港とそれほど違いはありません。
これなら,ゲートウェイ空港にオブジェクトを追加する方が楽かもしれません。
そこで取り込んだオブジェクトをデフォルト空港に貼り付けたものが下の画像です。
この例ではすべてのオブジェクトを貼り付けたわけではありません。
オブジェクトだけを拡大した画像です。
細かい操作説明は省略いたしますが,OverlayEditorでオブジェクトの位置合わせ等の細かな操作とWEDに再び読み込んでのズレの修正が必要でした。
ペイウェアの変換
最後にペイウェアの変換について少し調べてみました。
ペイウェアを変換することについては,利用契約の中にリバースアセンブル禁止条項として記載されているものがあります。
もちろん許諾を受けずに変更したものを公開することは,著作権法上許されることではありません。
しかし契約書中のリバースアセンブル条項の適法性については,現在でも議論が続いていることがWikipediaに書いてあります。
私の見解であることを先にお断りいたしますが,個人的な利用の範疇で外部に渡すことなく利用する限りは,ペイウェアの変換はグレーゾーンの範囲内だと思います。
私も広島西飛行場については,当面の対策としてFS2004のペイウェアを変換して利用しています。
その一方で,公開できるように私オリジナルのRJBHを作り始めています。
まとめ
この作業を行ってみて,オブジェクトの少ない空港では,WEDで最初から作るのとそれほど違わない作業量になることがわかりました。
もっとも,きちんと変換できる飛行場や空港シ-ナリーもあるので,諦めないで使ってみましょう。
Enjoy, Flight!
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.41で表示確認をしています。
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