ヨーロッパの風景で表示される建物,構造物と道路をリアルに表示するためのライブラリーであるX-EuropeがVer3に更新されました。私が好んで使用するヨーロッパの国々の領土である離島も対象になります。この新しいライブラリーの導入方法と効果について報告します。
ヨーロッパの風景をグレードアップする新ライブラリー
X-Europe3.0の概要
X-Europe2は,X-Plane10の時に公開された,VFR向けにヨーロッパの建物や構造物と道路をリアルに表示するライブラリーです。
そして,バージョンアップされたX-Europe3.0が公開され,X-Europe2よりもリアルな風景を表示できるようになりました。
このライブラリーを利用するには,最新版のOpenSceneryXの導入が必要です。
こういった役割分担は,普段日本の風景を表示するために利用している”Japan pro“ライブラリーのようです。
推奨環境
表示が改良されましたが,利用するための推奨環境も厳しいものになっています。
マニュアルに書いてある推奨環境は,8GBのVRAMを持つグラフィックカードと32GBのメモリーを持つPC,そして各地のフォトシーナリーを高速のSSDに収納して利用する必要があるとのことです。
これほどのインフラを装備しているX-Plane11ユーザーは多くないことを,Laminar researchが報告しています。
一方で,マニュアルには推奨環境が整っていなければ,フォトシーナリーを導入せず通常シーナリーで利用するようにとの注意書きがあります。
そしてデフォルトで導入する場合には,通常シーナリーで使うように設定済みになっています。
そこで,私の古いスペックのPC 4GBのVRAM,16GBのメインメモリPC上で,フォトシーナリーを使わずに動かしてみました。
X-Europe3.0のダウンロードとインストール
ダウンロード
X-Europe3.0は,simHeaven.comのダウンロードページからダウンロードします。
右下の黄色のダウンロードリンクボタンをクリックします。
ファイルサイズは7.7GBで,展開後のサイズは14.8GBだと告知されています。
ダウンロードする時には,ダウンロード中にPCやHDDが止まらないように電源の設定をしておきましょう。
ダウンロードしたファイルは,”simHeaven_X-Europe-3.0.7z“という名前です。
インストール
“simHeaven_X-Europe-3.0.7z”を展開する時に,収納先のディスクを指定して展開するようにしましょう。
告知では14.8GBとなっていましたが,2TBのHDDに収納したときにはフォーマットの関係で22.4GBになりました。
私の場合は,リンク先フォルダーをD:ドライブにしているのでそこに収納しました。
展開後のフォルダーには,7つのフォルダーとマニュアルがあります。
7つのフォルダーのショートカットを作り名前を整えた後,それらのショートカットをX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーします。
X-Plane11を起動後,メインメニューが表示されたらすぐに終了します。
そして,X-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にある,”Scenery packs.ini“をメモ帳で開いて編集します。
先頭部分にX-Europe3の7つのフォルダーへの定義があるので,先に導入していたX-Europe2のそばにコピーします。
そして,X-Europe2の定義部分に”_DISABLED“を書き加えます。
こうしておけば,問題が起きたときにX-Europe3と2をすぐに切り替えることができます。
場所が特定しやすいことと安全対策のために,このような方法をとりました。
ここでひとつ注意があります。
植生を改良する”FlyAgi Vegetation“ライブラリーはX-Europe3に含まれているので無効化しておく必要があります。
このライブラリーは,いまのところ私の知っている日本の空港ライブラリーには利用されていないので,無効化しても問題は無いと思います。
方法としては,無効化する記述を”FlyAgi Vegetation”ライブラリーに加えることで対応しましょう。
また,X-Europe3付属のpdfマニュアルのp5に,”Scenery packs.ini”内におけるX-Europe3の詳しい定義位置が示されていますので参考にしてください。
X-Plane11での表示
私が先にご紹介したアゾレス諸島のホルタの街を表示してみました。
ここは,フォトシーナリーを使っておらず,建物や船がたくさんあるので比較しやすいと考えたからです。
まず,X-Europe2で表示したホルタの街です。
次の画像が,X-Europe3導入後のホルタの街です。
大きな建物が増えており,港に係留されているヨットの帆がたたまれていてリアルに見えます。
ちょっとしたことですが,細かい点が改良されています。
FPSへの大きな影響は認められませんでしたので,私の古いPCインフラでもなんとか利用できることがわかりました。
他のライブラリーとの重複
X-Europe3と同じような働きをする”w2xp_Europe_mix“と”Europe_Library“という二つのライブラリーがあります。
二つのライブラリーは,simHeaven.comがX-Plane10向けに公開しているライブラリーで,ヨーロッパ関連のフリーシーナリーでよく使われているものです。
これらのライブラリーの必要性について少し調べてみました。
つぎのようにライブラリーを無効化して,ホルタの街を表示してみました。
次の画面をご覧頂くとわかるように,建物やオブジェクトの数が減ったというような変化は,わかりませんでした。
二つのライブラリーを必要とするフリーシーナリーを使うのでなければ,X-Europe3が二つのライブラリーの働きをするということになります。
まとめ
マニュアルには,推奨環境について私にとって心配な表現がありましたが,それはフォトシーナリーの利用に関係するものだったと考えられます。
通常シーナリーでも,リアルな離島の風景を表示できますので,推奨環境にこだわらずにX-Europe3の導入をお勧めします。
最後になりましたが,開発し公開していただいた皆様に御礼を申し上げます。
ありがとうございました。
Enjoy, Flight!
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.36r2で動作確認をしています。
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