X-Plane11のCustom sceneryフォルダーには,フォルダー内にあるシーナリーやリンクを管理しているScenery_packs.iniというファイルがあります。このファイルに登録したフォルダーがフライトで表示されますが,Custom ceneryフォルダーに入れたままで有効・無効を切り替える方法があります。またScenery_packs.iniの定義を読みやすいようにコメントや区分けラインを付加することもできるので,その方法を説明します。
Custom Sceneryフォルダー内にあるシーナリーの有効・無効の切替えとコメントの付加
X-Plane11のシーナリーは,X-Plane11をインストールしたフォルダー内にある”Custom scenery”フォルダーにある”Scenery_packs.ini”というファイルで管理されています。
“Scenery_packs.ini”には”Custom scenery”フォルダー内にあるシーナリーフォルダーやリンクが自動的に登録されます。
このファイルに登録したフォルダーがフライトで表示されるのですが,私はこれまでシーナリーの有効・無効を切り替えるには“Custom scenery”フォルダーからフォルダーやリンクを削除するしか方法はないと考えていました。
また,定義優先順を利用して表示しないようにごまかす(?)手順も説明しました。
シーナリーの有効・無効を簡単に切り替えることができれば,シーナリーのテスト時には役立ちます。
そして”Scenery_packs.ini”にコメントを付け加えることができれば,しばらくしてからその定義の意味を忘れたときに役立ちます。
この方法を実例を紹介しながら説明いたします。
シーナリーの有効・無効を切り替える
“Custom scenery”フォルダー内にあるシーナリーフォルダーやリンクを残したまま,”Scenery_packs.ini”を編集してシーナリーの有効・無効を切り替える方法が,私が過去にご紹介した”Wiki”ページに記載されています。
翻訳された文章を読むだけでは理解しにくかったので,実際に編集して効果を確かめてみることにしました。
編集することだけでシーナリーの有効・無効を切り替えることができれば,起動時のフォルダーやリンクの定義を作り替える時間が省略されるのでメインメニューが表示されるまでの時間を短縮することができます。
また,定義した行の記載がほとんど変化がないので,定義位置の変更を行うとき元の場所のメモにもなります。
シーナリーの評価やテストを行うときには非常に役に立つ技術です。
有効/無効を切り替える具体的な方法
“Scenery_packs.ini”をメモ帳で開くと1行で一つのシーナリーフォルダーやリンクが定義されています。
私の地元にある広島西飛行場の定義は次のようになっています。
このシーナリーフォルダーを無効にするためには,次のように書き換えます。
つまり”SCENERY_PACK“を”SCENERY_PACK_DISABLED“にするだけでフォルダーを無効化することができるのです。
この効果を実際のフライト画面で確認したのが次の画面です。
ちゃんと無効化できていることがわかります。
定義を書き換えるだけですから復活も簡単です。
“Scenery_packs.ini”を読みやすいようにコメントや区分けラインを付加する
Scenery_packs.iniに書かれた定義は,導入してからしばらく立てば意味がわからなくなることがあります。
私などは,短期記憶が若い頃に比べて衰えたなと感じることがあるので,コメントや区分けラインがあれば記憶を復活させるときに大いに役立ちます。
若い頃に読んだプログラミングの指南書には,プログラムコードにコメントをたくさんつけるようにという記述があったことが思い出されます。
Scenery_packs.iniの定義順は,結構シビアです。
順番が誤っていれば,表示されなくなるオブジェクトが出たり,ダブって表示されたりします。
過去の記事で,定義についても触れたことがあります。
最近,VFRシーナリーを探している時に,ベータ版のハンガリーのVFRシーナリーをX-Plane.orgで見つけました。
このフォーラム記事に,Scenery_packs.iniの定義順の具体例とコメントの付け方の簡単な説明がありました。
定義順については,これまでのものと違いはありませんが,それをコメントの形でScenery_packs.iniファイルに書き込んでいることに驚いてしまいました。
この技術を早くに自分のものにしていれば,Scenery_packs.iniを理解する時間を短縮することができたのではないかと思います。
コメントを付け加える具体的な方法
“Scenery_packs.ini”内に記載できるのは,フォルダー名とリンクだけです。
これを利用して,コメントをフォルダー名とした中身のないフォルダーを作って登録するというのが,この技術のポイントです。
Custom Sceneryフォルダー内に”ーーーーーーーーー my sceneries ———–“というコメントのフォルダーを作りました。
この時には次のように表示されます。
ちょっと短いなという気がしますし,”Custom scenery”部分が邪魔になります。
長いコメント行の作成
そこで,リンクを使います。
別の場所にコメント専用の”ーーーーーーーーー”というフォルダーを作ります。
その中に,”ーーーーーーーーーー My sceneries ーーーーーーーーーーーーー”というフォルダーを作り,ショートカットを作ります。
このショートカットを,Custom Sceneryフォルダー内に移動し,”-のショートカット”部分を削除すれば,コメント行のできあがりです。
この方法で作ったScenery_packs.iniは次のようになります。
コメントの次第で,ずいぶん読みやすくなりますね。
日本語の利用
このコメントは,日本語版のWindwsでは日本語のフォルダー名が使えることから,コメントも日本語で書くことができます。
その例は,次の画面をご覧ください。
なお,同じ名前のフォルダーは作れないので,同じような表現を使いたいときには,”01————————-“,”02————————-“のように数字を先頭につければ区別できます。
まとめ
今回のTipsは,シーナリーを使っていく上で助かる技術です。
Wikiを読むだけでなく,実際に使ってみることでその有効性を実感できたのだと思います。
Enjoy, Flight!
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.36r2で動作確認をしています。
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