JALが次世代の主力機種として導入したA350が日本の空を飛び始めましたが,フライトシミュレーターの世界では登場がおくれていました。
初めてシミュレーター用に登場したのは飛行用の機体としてではなく,AI機向けのデータでした。
けれどもA350-900には,AI機を改修して操縦できるようにしたデータが公開されています。
FS2004用とFSX用の2種類が公開されていますので,FS2004での利用方法を説明します。
飛行できるA350-900のAI機にJAL塗装を導入する
私が過去の記事で「Solaseed AirのB737-800」をAI機を改修して作ったことを紹介しました。
今回ご紹介するJALのA350-900は,同じ方法を用いて操縦できる機体を作ります。
改修されたA350の飛行可能なAI機が公開されており簡単に導入できるところが,「Solaseed Air」のB737-800と違うだけです。
JALが導入したA350については,連日マスコミを賑わせているのでご紹介は省略いたします。

“The first Airbus A350-900 for Japan Airlines(JAL)” by Don Cashen. Photo from Flickr
FS2004用のJAL A350-900
データファイルのダウンロードとインストール
ファイルのダウンロード
塗装データは,Flightsim.comからダウンロードします。
塗装データは”airbus_a350-941xwb_japanairlines_ja01xj.zip”と”airbus_a350-941xwb_japanairlines_ja02xj.zip”の2種類です。

初号機 Flightsim.comから引用

2号機 Flightsim.comから引用
この機体の基本機体はもともとFSPaintというグループの作ったAI機だった機体です。
これを改修して操縦できるようにした機体がAVSIM.comで公開されています。
”fspa350fin_oneworld_oh-lwb.zip”というフィンランドエアのA350です。
AVSIM.comから引用 日本語化して表示したもの
飛行可能なJALのA350機体を作る
2種類の塗装がありますが,初号機を例に説明します。
2号機は,”01”を”02″に読み替えればそのまま適用できます。
”airbus_a350-941xwb_japanairlines_ja01xj.zip”ファイルをダウンロードし,適当な場所で展開します。
できあがった”airbus_a350-941xwb_japanairlines_ja01xj”を開きます。
フォルダーの中にある”Airbus_A350-941XWB_JapanAirlines_JA01XJ”というフォルダーがFS2004用の塗装データが入っているフォルダーです。
このフォルダーに飛行可能な機体データを構成していきます。
基本機体データのコピー
基本機体となる”fspa350fin_oneworld_oh-lwb.zip”を展開します。
できあがった”fspa350fin_oneworld_oh-lwb”を開きます。
中にある”FSP Airbus A350-900XWB Finnair – Oneworld – OH-LWB”
のフォルダーの内容をすべて”Airbus_A350-941XWB_JapanAirlines_JA01XJ”フォルダーにコピーします。
aircraft.cfgの編集
コピーしたものの中にある”aircraft.cfg”をメモ帳で開きます。
基本機体であるフィンランドエアのairacraft.cfgには,機体モデルとテクスチャーフォルダーなどの定義部分である[fltsim.0]があります。
この定義部分が終わった次の行にJAL機体の定義部分を貼り付けます。
貼り付けるデータは,塗装データを展開してできた”airbus_a350-941xwb_japanairlines_ja01xj”内にあるReadme.txtに次のように書かれています。
-----------------------------------------------------------
[fltsim.x]
title=FSPXAI Airbus A350-941XWB Japan Airlines JA01XJ
sim=FSP_A350900v1
panel=
sound=
model=
texture=JapanAirlines JA01XJ
atc_airline=JAPANAIR
atc_flight_number=321
atc_heavy=1
atc_parking_types=GATE
atc_parking_codes=JAL
atc_id=JA01XJ
ui_createdby="FSpainter"
ui_manufacturer="Airbus"
ui_type=A350-941XWB
ui_variation=Japan Airlines JA01XJ
visual_damage=1
description=Paint by: Stefan Bree SAD, Model by: FS Painter (AI Traffic Model) made flyable. Copyright 2019
-----------------------------------------------------------
この部分を”aircraft.cfg”に貼り付けたあとで,[fltsim.x]を[fltsim.1]に変更します。
2号機も同時に導入する場合は,[fltsim.x]を[fltsim.2]に変更して追加します。
出来上がった”airacraft.cfg”ファイルを上書き保存すれば完成です。
機体データフォルダーをFS2004にインストールする
”Airbus_A350-941XWB_JapanAirlines_JA01XJ”フォルダーをFS2004のAircraftフォルダーにコピーすれば導入作業は終了です。
FS2004での表示
フライトの作成画面
この機体は航空機メーカーが”Airbus”で登録してあります。
オリジナル機体のFINNAIRの塗装も入っています。
操縦席の画面
エアバス用のコックピットが組み込んであります。
左下にいろんなポップアップ用アイコンがあるので試してみてください。
滑走路上の機体
就航している羽田空港に駐機しました。
Wifiアンテナも再現されています。

初号機です 機体のロゴは赤い色です

2号機です 機体のロゴはシルバーです
AI機から改修したA350の不備な点
この機体も先にご紹介したAI機からの改修機同様,可動翼は動作しません。
フラップも最大展開状態でも開いてはいませんし,ラダーを動かしても垂直尾翼は動作しません。
けれども操縦できないというわけではありません。
基本機体の制作者の注意点が,FinnairのReadme.txtファイルに書かれています。
フルフラップでタクシー中にブレーキをかけると逆噴射になるそうですので気をつけましょう。

飛行中のA350-900
まとめ
AI機を飛行可能にする基本的な方法は,SolaseedのB737-800で説明しました。
同じようなこと考えていらした方が海外にもいらっしゃったことに少し安心しました。
飛行できる機体がないとき,AI機からの改修で楽しむ方法は私の記事を参考にしてください。
Enjoy, Flight!
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