北大西洋にカナリア諸島という島々があります。島々の中で一番大きなグランカナリア島には3000m級滑走路を2本持つ大きな空港があります。この空港と周辺にある風力発電所や詳細な町並みを再現したシーナリーがバージョンアップされました。今まで以上に詳細な風景を再現できるのですが大量のオブジェクトを表示するため,島のフォトシーナリーとともに使用するとかなり重くなってしまいます。この重いシーナリーを導入したうえで風景を楽しむ方法を説明します。
グランカナリア島 ー X-Plane11で飛ぶカナリア諸島(その1)
歌で知ったカナリア諸島にある大空港
北大西洋にカナリア諸島という島々があります。

私は,大滝詠一さんの「カナリア諸島にて」という曲で知りました。
カナリア諸島の「カナリア」は,鳥の種類ではなくラテン語の犬あるいはアフリカ北東部に住む人々の名前に由来しているといいます。
私は,この記事を読むまで鳥の島かなと思っていたのですから,恥ずかしいものです。
さて,松本さんが初めてカナリア諸島に降り立ったのがこのグランカナリア島でした。
実際の曲のイメージに合ったのはテネリフェ島だそうで,グランカナリア島は,あまりに大きな島なので曲のイメージに合っていなかったのだとか。
私も,「カナリア諸島にて」のWikipediaの記事を読むまで,カナリア諸島といえばグランカナリア島だろうと考えていました。
グランカナリア島は,大むかしに噴火した火山島で,島で一番高い山であるピコ・デ・ラス・ニエベスの頂上には,軍のレーダー基地があります。

グランカナリア島をX-Plane11で回ってみても,空港のある南東側をのぞいては切り立った崖がほとんどでのんびりとした雰囲気を感じさせる景色は見当たらず,観光の目玉となる景勝地は少ないのかもしれません。
この島にあるグランカナリア空港は,カナリア諸島の国際線の玄関として年間1000万人以上が利用している3000m級の滑走路を2本持つ大きな空港です。
グランカナリア空港からは,カナリア諸島の島々へ定期便が就航しています。
今回「カナリア諸島にて」のイメージに合うテネリフェ島への飛行の出発地としてのグランカナリア空港をX-Plane11に導入します。
美しいけれど激重のグランカナリア島シーナリー
デフォルトのカナリア諸島の空港シーナリーは3D空港で構成されており,そのままでも十分使える仕上がりです。
今回ご紹介するのは,「PCインフラの限界に挑戦した」ともいえる表示するオブジェクトが多い激重のグランカナリア空港のシーナリーです。
私のPCインフラでは,高解像度画面での表示は11~15FPSという全く実用にならないほどの重さですが,工夫すれば十分楽しめます。
記事の後半で,インフラに制限のあるPCでも素晴らしいオブジェクトの数々を見ながら島の周回飛行を楽しむ方法を説明します。
カナリア諸島フォトシーナリーのダウンロードとインストール
まず,カナリア諸島シーナリーの基本パーツである高精細フォトシーナリーを導入します。
ダウンロードは,先に私の記事でご紹介した”spainuhd.es“から行います。
カナリア諸島の表示に必要な区域は,地図の右下にある5つの区域です。
spainuhd.esから引用
島のフォトシーナリーの解像度はオルソフォトのレベル18ですのでかなりの高精細度になっています。
このダウンロードした5つのファイルを展開し,フォルダーの内容を先に導入していた”z_SpainUHDv2“フォルダーにコピーして統合します。
方法は,私の記事を参考にしてください。
グランカナリア空港シーナリーのダウンロードとインストール
グランカナリア空港シーナリーは,X-Plane.orgからダウンロードします。
タイトルは”GRAN CANARIA 1.0.0“です。
X-Plane.orgから引用
ダウンロードリンクをクリックすると,2つのファイルが表示されますので上の段のファイルをダウンロードします。
下の段の”Gran Canaria City.zip”のリンクは,今回目的とするデータの前に作られた軽めのシーナリーです。
大きな違いは,表示されるオブジェクトの数が少ないことです。
さてダウンロードした”Gran Canaria.zip“ファイルを展開しますが,展開後のフォルダーが大きいので容量に余裕のある場所に展開します。
展開してできた”Gran Canaria“フォルダーの中にある同名の”Gran Canaria“フォルダーを収納先のフォルダーに移動させます。
私は,高精細フォトシーナリーを収納したディスクにフォルダーを作りました。
収納後の”Gran Canaria”フォルダーを右クリックしショートカットを作成します。
このショートカットをX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーして名前を”Gran Canaria”に変更します。
ライブラリについて
表示に必要なライブラリーは,つぎのとおりです。
まだ導入していないものがあれば,ダウンロードリンクがシーナリーページ内にあるのでダウンロードして導入を済ませておいてください。
CDB-Library
Europe_Library
ff_library_extended_LOD
flags_of_the_world
gt_library
JB_Housesを
JB_Objectsは、
MisterX_Library
People_LIB
PPlibrary
RD_Library
Shoreline_Objects
The_Handy_Objects_Library
Vehicle Library Extension
world-models
Wrecked_Vehicles
XAirportScenery
pm_library VERSION 2.6
ライブラリーの導入については,私の過去の記事を参考にしてください。
ここでグランカナリア空港シーナリーを表示させるために,CDBーibraryの修正を行います。
修正するのは,CDB-Library/Cars/cars/Dodgeフォルダーにある”car_dodgeberlina.obj“です。
このファイルを複製して”carーdodgeberlina.obj”と名前を変えます。
2つのファイル名の違いは,「アンダーバー( _ )」と「長音符( – )」です。
つぎに,CDBーibraryフォルダー内にあるLibrary.txtをエディターで編集して”carーdodgeberlina.obj”の項目を追加します。
この修正で,シーナリーを表示したときのシーナリー不足エラーがなくなります。
なおこの修正は,軽く作られた”Gran Canaria City“を使う場合にも必要です。
以上で導入作業は終了です。
X-Plane11でグランカナリア島のVFR周回飛行を楽しむ方法
フライトの作成でグランカナリア空港(GCLP)を選択します。
高解像度(WQHD:2560×1440)のフル画面に設定すると,滑走路上でオブジェクトの表示を最大にした時”3jFPS”をMAX QUALにすると15FPS程度になってしまいます。
これでは,離着陸はかなり難しくなってしまいます。
そこで,離陸前にメニューから”設定”を開き,解像度を”1600×900″に下げ,”3jFPS”をAUTOかMAX FPSにすれば30FPSに回復します。
この状態で離陸し,水平飛行に入ったらオートパイロットで高度と飛行する方角を固定します。
オブジェクトが多い地上を表示すると一時的にFPSは低下しますが,飛行に支障はありません。
その後,再び”設定”を開き,解像度を”デフォルトの解像度”に戻し,”3jFPS”をMAX QUALにします。
この水平飛行オートパイロットの状態にすれば,一時的にFPSが低下しても飛行に支障はありませんし,景色を眺める余裕もあります。
滑走路に正対して着陸態勢になるまでは,オートパイロットで高度と方角を変更しながら飛行します。
建物がなければ,30FPSで安定して飛行できます。
滑走路に正対したとき,メニューから”設定”を開き,フル画面の解像度を”1600×900″に下げ,”3jFPS”をAUTOにすれば30FPSに回復するのでスムーズに着陸することができます。
まとめ
フライト途中での解像度設定変更はシーナリーの再ロードを必要としません。
そのためオブジェクトの多い重い空港シーナリーでも飛行を楽しめます。
静止状態で空港シーナリーをフリーカメラで見学すれば,ゆっくりながめることができます。
少しの工夫で,飛行を楽しみましょう。
最後になりましたが,この素晴らしい空港シーナリーをつくっていただいた作者に感謝いたします。
Enjoy, Flight!
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.36r2で表示確認をしています。
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