X-Plane11のシーナリーを実世界のように表示するため,高解像度のメッシュシーナリーやフォトシーナリーを使います。
ヨーロッパの中で地中海に近い場所にある2つの国,スペインとポルトガルを25mの水平解像度で表示できるフォトシーナリーが2018年の8月に最新版が公開されました。私は,たまたま自分が表示したい目的の離島があったので試しに導入してみました。使い方によっては素晴らしい世界を実現できると思うのでご紹介することにします。
X-Plane11の表示限界に挑むスペインフォトシーナリー
X-Plane11のシーナリーを実世界のように表示するため,高解像度のメッシュシーナリーやフォトシーナリーを使います。
日本の高精細地形メッシュデータは,www.alpilotx.netで公開されています。
ここで公開されている水平メッシュの解像度は30mです。
メッシュシーナリーは,日本のように季節ごとに異なる表情をもつ地表面を表現する場合には便利です。
一方,フォトシーナリーは,実際の写真を利用して表示することから実物のような地表面を表示できる一方で,季節ごとに別のシーナリーを用意しなければならないという不利な面があります。
けれどもフォトシーナリーは,季節変化の少ない低緯度地方や地中海沿岸の地域においては本物そっくりに表示できる利点を遺憾なく発揮できるシーナリーです。
ヨーロッパの中で地中海に近い場所にある2つの国,スペインとポルトガルを25mの水平解像度で表示できるフォトシーナリーの最新版が2018年の8月に公開されています。
私は,たまたま自分が表示したいと考えていたカナリア諸島が低緯度地域にあったので試しに導入してみました。
利用にあたっては,少なくとも8GBのRAMと4GBのVRAMを搭載したPC環境が推奨されています。
使い方によっては素晴らしい世界を実現できるのでご紹介することにします。
公開されているサンプル動画です。
ゼロから作り上げられた高精細スペインフォトシーナリー
この新しいフォトシーナリーは,”Spain Ultra High Definition Photoscenery -SpainUHD- 2.0“というタイトルで,X-Plane.orgで紹介とダウンロードページへのリンクが公開されています。
紹介ページには,サンプルの画像があるのでぜひご覧ください。
“SpainUHD”は,スペインとポルトガル,イギリス領ジブラルタル,フランス南部の一部地域,カナリア諸島をカバーしています。
水平メッシュ解像度は,alpilotxの30mよりも細かい25mメッシュとなっています。
また写真解像度は,大陸でオルソフォトのレベル17相当,島はレベル18相当という驚異の解像度になっています。
高精細スペインフォトシーナリーの導入方法
このシーナリーは,カバー地域の空港シーナリーの基礎となるよう作られています。
ダウンロードとインストールは,通常のメッシュシーナリーと同一でダウンロードしたファイルを展開し,できあがったフォルダーをX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーするという流れになります。
ただし,フォトシーナリー自体が大きなデータですから私のように空き容量の少ないディスクを利用しているものにとっては,X-Plane11フォルダーとは別の外部ディスクにデータを置いておきリンクを張って利用するということになります。
では,具体的なダウンロードとインストールの手順をご説明します。
ダウンロードとインストール
ダウンロードページは,紹介ページのダウンロードリンクをクリックすると表示されます。
カバーするエリアが地図で表示され,メッシュに区分されています。
自分がダウンロードしたいメッシュをクリックすると,そのエリアのフォトシーナリーがダウンロードできます。
あらかじめ,空港の位置をGooglemapやSkyvectorで確認しておけば,かんたんに必要なメッシュを見つけることができます。
カバーエリアは,alpilotxのフランス南部ピレネー山脈のところが重複しています。
この地域を飛ぶときには,どちらのシーナリーを使うか悩むことになりそうです。
ダウンロードされたファイルは,”SpainUHDv2_+36-005.7z“のように”.7z“の拡張子がついた圧縮率の高いファイルです。
“.7z”ファイルの展開ツールは,つぎのリンクからダウンロードできます。
一つのメッシュのファイルは圧縮していても1.5GBと大きいのでこのファイルの収納場所にも注意が必要です。
展開するとこれよりも大きくなり,容量の少ない場所で展開すると展開に失敗することになります。
展開作業についてもディスクの容量を確認して計画的に行いましょう。
さて,展開したらファイル名と同じような”z_SpainUHDv2_+36-005“というフォルダーとReadme.txtファイルができあがります。
Readme.txtは英語版で,スペイン語バージョンも同時にできます。
このReadme.txtファイルの最後に,展開したデータの作成年月が書いてあります。
複数のファイルを同時展開するときには,Readme.txtファイルを上書きして消してしまわないよう名前を変えて展開するようにしてください。
複数のファイルを同時展開したとき,共通のフォルダーを作って入れておけば,リンクを張る手間が少なくなります。
フォルダーの先頭部分文字列から”z_SpainUHDv2“というフォルダーを作り,”z_SpainUHDv2_+36-005“フォルダーの中身を移します。
他のフォルダーも同じようにすれば一つのまとまったフォルダーとなります。
一つにまとめる際に重複するデータがいくつか生じますが,新しい方を残すようにしてください。
できあがった”SpainUHDv2″フォルダーを右クリックし,”ショートカットの作成”をクリックします。
できあがったショートカットを,X-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーします。
ショ-トカットの名前を”z_SpainUHDv2″に変更します。
X-Plane11を起動しメインメニューが表示されたら,いったんX-Plane11を終了します。
終了後に,X-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内のScenery packs.iniをメモ帳かエディターで開きます。
一番上に表示されている”z_SpainUHDv2″の行を,一番下あたりに移すよう編集します。
上書き保存すれば,作業は終了です。
くわしい図解作業は,私の過去の記事を参考にしてください。
こうしておけば,SpainUHDv2の他のメッシュエリアを追加したとき”z_SpainUHDv2″フォルダー内に内容物を収容するだけで,リンクの張り直しの必要がなくなります。
SpainUHDv2の表示例
SpainUHDv2の表示については,サンプルがたくさんあるので私が導入したカナリア諸島のグランカナリア島の画像を紹介します。
FPSへの影響
SpainUHDv2を導入したときのFPSは,私のVRAM4GBの環境+デフォルトシーナリーで”3jFPS”のAUTO設定で28~29位,市街地で24程度にまで低下します。
私のPCはFSX用に作りましたが,このフォトシーナリーの推奨環境だったので,この程度なのでしょう。
カナリア諸島 グランカナリア島でFPSを測定しました
グランカナリア島は火山島で,幾たびかの噴火で積もった火山噴出物で地層が形成されています。
高精細フォトシーナリーならではの地層の表現をご覧いただけます。
まとめ
大規模なフォトシーナリーですが,導入するだけの価値は十分あると考えます。
必要な部分だけでもいいので少しずつ導入されてはいかがでしょうか。
Enjoy, Flight!
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.36r2で表示確認をしています。
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