先に秋冬の風景を表示するためのデータをご紹介しました。それらのデータを使って季節と場所に応じて表示を変更してくれるプラグインがあります。以前はバラバラにダウンロードして組み合わせる必要があり,使いにくかったのですが,今回データとプラグインが一つのパッケージとして公開されました。この新しくなったパッケージをご紹介します。
X-Plane11導入日記(その148)
格段に使いやすくなった季節の表現を変更するプラグインパッケージ
X-Plane11での季節の風景
X-Plane11は,デフォルトでは春から夏にかけての風景を表示します。
秋冬の風景を表示するためのデータはありますが,新しくフライトを作成することでしか変更できないものでした。
紅葉や積雪は,時期と緯度によって現れる場所が異なります。
実は,これを解決するためのプラグインがすでに公開されていました。
けれどもプラグインの説明には,公開されているものから別々にデータを取り出し組み合わせて新しいデータを再構成して作る必要がありました。
説明が英語であり理解しづらいことと複雑な作業が必要なため,私は導入をためらっていました。
四季の表現をダイナミックに変更できる”Four seasons”プラグイン
今回公開されたパッケージは導入を簡単にするため,すでに公開済みの四季のシーナリーの作者に許可を得て,データを含めて一つのパッケージにまとめたものです。
従来必要であった,データの再構成が不要になったので導入は非常に簡単です。
また,フライトを変更したときシーナリー表現を変更できるコントロールパネルも装備されました。
このプラグインは,”Four seasons“と言います。
加えて,四季を表現するためのペイウェアである”Terra max“と互換性があり,”Terra max“のフリーアドオンである”UrbanMAXX_V3“を使って地表のテクスチャーを変更することができます。
“Four seasons”パッケージのダウンロード
パッケージの名前は,”Four Sceasons (now with compatible scesonal packages)1.2.1”
といいます。
長いタイトルの中に作者のこだわりを感じます。
ダウンロードリンクをクリックすると,クラウドストレージに接続します。
表示されたページ内のダウンロード表示をクリックすれば,一括ダウンロードできます。
なお個別にダウンロードすればダウンロード時間は短くなります。
“Four seasons”パッケージのインストール
事前準備
“Four seasons“は,”Python 2.7.x“を使用するプラグインです。
そのため動かすために,”Python2.7.x“とX-Plane11とPythonをつなぐモジュールである”Pyhton Interface“プラグインをあらかじめ導入しておく必要があります。
この2つは,私が先にご紹介した上昇気流を可視化するプラグインを導入するとき使ったものと同じものです。
Python2.7は,最新バージョンが2.7.16になっています。
クリックするとダウンロードリンクが表示されます
くわしい導入方法については,私の過去の記事を参考にしてください。
“Four season”パッケージの導入
パッケージの導入方法は,パッケージ内の”readme.md“に書かれています。
導入作業は,ダウンロードデータの展開とファイルのコピーだけなので簡単に済みます。
インストール部分だけを私の実例とともに日本語でご紹介します。
1.~2.はPythonのインストール(省略)3. **Four Seasons pluginのインストール**パッケージを展開します。
つぎに”PI_four_seasons.py”と”four_seasons”フォルダー全体を”x-plane11\resources\plugins\PythonScripts”にコピーします。
4. **シーナリーのインストール **
単純につぎのシーナリーを”Custom Scenery”フォルダーに入れます。
– FourSeasons_Seasonal_Fall
– FourSeasons_Seasonal_Snow
– FourSeasons_Seasons_Autumn
– FourSeasons_Seasons_Spring
– FourSeasons_Seasons_Winter
*Note: 他のバージョンの季節のパッケージが既にある場合は,それらを削除してください。*##### Scenery_packs.ini order:
シーナリーは空港とライブラリーの間に置いて下さい:
例:
“`
{{ AIRPORTS }}
SCENERY_PACK Custom Scenery/IT-LIPV Venezia Lido/
SCENERY_PACK Custom Scenery/Global Airports/
SCENERY_PACK Custom Scenery/X-Plane Landmarks – London/
{{ Seasonal sceneries start here }}
SCENERY_PACK Custom Scenery/_UrbanMAXX_V3/
SCENERY_PACK Custom Scenery/FourSeasons_Seasonal_Fall/
SCENERY_PACK Custom Scenery/FourSeasons_Seasonal_Snow/
SCENERY_PACK Custom Scenery/FourSeasons_Seasons_Autumn/
SCENERY_PACK Custom Scenery/FourSeasons_Seasons_Spring/
SCENERY_PACK Custom Scenery/FourSeasons_Seasons_Winter/
{{ LIBRARIES }}
SCENERY_PACK Custom Scenery/OpenSceneryX/
{{ OVERLAYS }}
SCENERY_PACK Custom Scenery/alpilotx 099 UHDv4 Mesh Overlays/
{{ ORTHOS }}
SCENERY_PACK Custom Scenery/z+45+012_I_Venezia_bx17/
以上です。
“UrbanMAXX_V3″の導入
“UrbanMAXX_V3.zip”をページからダウンロードします。
導入方法は,通常のライブラリーと同じで,展開後の”UrbanMAXX_V3“フォルダーを”Custom scenery“フォルダーにコピーするだけです。
“UrbanMAXX“は“scenery_packs.ini”内の”Seasonalパッケージ”の前に配置する必要があります。
季節設定の変更
”Four seasons”の設定
季節の設定は新しいフライトの他,X-Plane11を起動後に”Four seasons”のコントロールパネルから行うことができます。
コントロールパネルは,X-Plane11の画面の上方”Plugin>Four seasons”の中にあります。
UrbanMAXXの有効化
最初に”Four seasons”を動かしたとき,Four Seasonsコントロールパネルで”UrbanMAXX“の有効化を行います。
Four Seasonsコントロールパネルの一番下にあるterramax datarefs チェックボックスにチェックマークを入れて有効化します。
“Four Seasons”プラグインの効果
このプラグインは,空港内の地表についても季節の変化をもたらします。
フォトシーナリーを用いているシーナリーについては,制限がありますので仕方がないこととは思いますが,それでも改善はされるのはありがたいです。
利用する時,設定する地表の温度には注意してください。
高緯度の冬であっても地表気温が高いと,雪景色にはなりません。
また,設定しても風景が変わらないときは,”Four scesons”のコントロールパネルの”Save&Apply”をクリックするか,”Force refresh”をクリックすると変更できます。
完璧にスクリプトが動作しないこともあるということです。
高緯度と低緯度での冬景色の違い
高緯度の旭川空港
冬春夏秋のそれぞれの風景をご紹介します。
春と夏は木々と草の色合いが微妙に違います。
低緯度の広島空港
デフォルト設定では,低緯度で気温を下げても雪景色にはなりません。
なおプラグインので設定で雪の降る場所と時期を変更できますし,OpenSeceneryX4.2.0の導入で,雪景色を表示できるようになります。
アドオンシーナリーとデフォルトシーナリーの違い
デフォルトでないアドオンシーナリーでは,シーナリーによって表示が異なります。
次の画面は,丘珠空港の風景です。
空港の周りは冬景色ですが,空港内は草地のままです。
一方,花巻空港では少し様子が異なり一部は雪に覆われます。
アドオンシーナリーでは,空港内にフォトシーナリーを使っている部分は季節表示変更はできないようです。
まとめ
これまで使ってみたいと考えていた”Four scesons”プラグインが簡単に導入できるようになり,X-Plane11で風景の季節感が豊かになりました。
“Four scesons”は,季節感を大事にする私にとって,大切なプラグインとなりました。
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版で表示確認をしています。
コメント