曇り空での飛行は,雲を表示するためにどうしてもFPSを低下させてしまいます。それをできるだけ少なくする軽い雲のデータが公開されました。美しい雲の画面を追求する目的からは外れますが,私のような少し前のスペックのPCインフラでは,地上オブジェクトへ表示能力を移すためのデータだと考えたのでご紹介します。
X-Plane11導入日記(その141)
曇り空のFPSを向上させる低解像度の雲のデータ
画面表示の質を低下させる曇り空
X-Plane11で曇天条件で飛行する時,雲を表示するのでどうしてもFPSの低下を招いてしまいます。
先にご紹介した3DFjを用いれば雲の濃さをダイナミックに調整してくれるのでFPSの低下は起こりません。
けれどもFPSを維持するために雲の濃さは低下してしまい,地上のオブジェクトの表示数も当然低下します。
FPSか地上オブジェクトが大事かという二者択一を迫られてしまうわけです。
“Clouds” by Gay Gilmour. Photo from Flickr
画面表示の負担が軽い雲のデータ
今回ご紹介するのは,低解像度の雲のデータです。
X-Plane11オリジナルのデータに比べて,約半分の大きさのデータになっています。
作者の説明によると,FPSが5~10向上するとのことです。
3DFjは,先に書いたようにFPSを維持するために雲の濃さや地上オブジェクトの表示数を減らしてしまいます。
私が注目したのは,単にFPSが向上するという点ではありません。
雲の表示に関係する負担が減れば,VFRに重要な地上オブジェクトの表示数が少しでも維持できるのではないかと考えたからです。
軽い雲のデータのダウンロードとインストール
ダウンロード
空港データはX-Plane.orgからダウンロードします。
タイトルは,”Lower resolution clouds for X-Plane11 1.0.0”です。
ダウンロードしたファイル名は,”XP11 Lower resolution cloud textures.rar”です。
X-Plane.orgから引用

インストール
インストール手順は,次のとおりです。
オリジナルのデータは,パッケージ内にある”HiRes – use this if something will go wrong”フォルダーに保管されているので,上書きするだけですみます。
X-Plane11での表示
雲の濃さの比較
私は,FPSの維持に3DFjを使っているので,これをどう扱うか決めることができないので,3DFjのそれぞれの条件で比較することにしました。
雲の条件は,複雑になることを避けるため,一つに決めました。
下の画面の条件で,11.35版に採用予定となっている広島空港シーナリーパッケージをゲートウェイからダウンロードし,これを用いてFPSを調べました。
デフォルトシーナリーは軽いので,晴天時のFPSは29.96位です。
オリジナルのデータと低解像度のデータで違いがはっきり出たのが,FPSをMAXという条件にした場合でした。
明らかに雲の濃さが低解像度データの場合は濃くなっています。

オリジナルデータでの表示,FPSは30ですが中央の雲に注目してください。

”Low resolution”のデータによる表示 FPSは30ですが中央の雲が濃くなっています
画面でわかるようにFPS30を維持するために,3DFjはオリジナルデータを使う時,雲の濃さを薄くしているわけです。
地上オブジェクト表示のためにPCの表示能力を使う
通常は,雲の表示のために,X-Plane11はFPSを低下させられているわけです。
”Low resolution”の場合は,3DFjをOFFにした場合でも,FPS30を維持し,しかも濃い雲を表示できていました。
このことは,雲の表示でFPSを低下させていないと判断できます。
そして,地上オブジェクトの表示の比重を増やすことにつながるわけです。
まとめ
グラフィックカードが高い表示能力を持っていれば,逆に高解像度の雲のデータで実感ある画面を表示させるというアプローチもあります。
IFRの場合は,地上オブジェクトの表示に気を遣う必要はないので高高度からの雲海を楽しむには,高解像度の雲のデータは有用でしょう。
VFRを主体に使っている私の場合,低解像度の雲のデータを使えば,雲から地上オブジェクトに表示の比重を移すことができることになります。
要するに目的に合った雲のデータを使えば良いということです。
雲のデータを軽くすることで,地上オブジェクトをしっかり表示できることになり,私は思わぬ拾いものをした気持ちです。
Enjoy, flight!
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版で表示確認をしています。
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